介護保険の基礎知識 介護保険の基礎知識

さまざまな介護サービスを、1~3割の自己負担で受ける
ことができるのが「介護保険」です。

介護保険料はいくら?納付額や支払い方法を解説

目次

介護保険の仕組みでとくに難しく感じられるのが、保険料についてです。介護保険の納付額など詳細については、ご存知ない方も多いのではないでしょうか。

この記事では年代別の納付額や計算方法、支払いについて解説します。今一度、おさらいしておきましょう。

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介護保険料はいくら?

まず、介護保険料の具体的な納付額について見ていきましょう。
介護保険の被保険者は、65歳以上(高齢者)が対象の「第1号被保険者」と、40歳から64歳までの「第2号被保険者」に分類されます。

厚生労働省の『介護保険制度をめぐる最近の動向について』によると、第1号被保険者の平均月額保険料は下記の金額となっています。

●2018~2020年度
第1号被保険者一人あたりの平均月額保険料は5,869円

●2021~2023年度
第1号被保険者一人あたりの平均月額保険料は6,014円(見込み)


年齢や住んでいる自治体(市区町村)によって異なるため、保険料を確認する場合は厚生労働省などが発表しているこれらの金額を参考にしましょう。

次では、第1号被保険者と第2号被保険者に分けて金額の計算方法を解説します。

第1号被保険者(65歳以上)の場合

第1号被保険者の場合、介護保険料は自治体によって異なります。

自治体は所得を段階分けして保険料を定めているため、前年度の所得をもとに今年度の金額が算出されます。この決め方は自治体によってさまざまで、所得段階を16段階に分けている自治体もあれば、6段階のところもあります。

前提として、自治体が3年ごとに策定する『介護保険事業計画』では、介護保険の運営に係る予算のうち約20%を第1号被保険者が賄うように定めています。しかし、その予算の約20%を第1号被保険者の総数で割って保険料を決めると、人によっては負担が大きくなってしまうのです。

第2号被保険者(40歳から64歳)の場合

第2号被保険者の介護保険料は以下のように算出されます。

●国民健康保険被保険者

介護保険料=所得割+均等割+平等割+資産割

※所得割...前年の世帯所得から基礎控除額33万円を控除した金額に、税率を掛けたもの
※均等割...所得が0円でも発生する保険料負担で、介護保険加入者数に応じて計算される金額
※平等割...世帯単位で課される金額
※資産割は固定資産税の金額×税率で計算される金額

また、居住する自治体によっても金額は変わり、平等割や資産税割がないこともあります。

●国民健康保険以外の医療保険の被保険者

介護保険料=(標準報酬月額+標準賞与額)×介護保険料率


ここでの標準報酬月額には、交通費や残業代も含まれます。
介護保険料率は入っている健康保険によって異なり、全国健康保険協会では現在1.64%となっています(2022年8月時点)。

介護保険料の算出方法と計算例

前項では、介護保険料の計算方法について説明しました。次では、具体例を参考にご自身の介護保険料を計算してみましょう。

第1号被保険者の場合

前述の通り、第1号保険者の保険料納付額は、自治体が3年ごとに策定する『介護保険事業計画』の予算および被保険者の所得の段階によって決まります。

ここでは京都市の例をあげて説明しましょう。

まず以下のように基準額を出し、被保険者の年収に応じて保険料を算出していきます。

基準額(年額)=京都市で介護サービスにかかる費用×第1号被保険者の負担割合÷京都市の第1号被保険者の人数


2021年時点での基準額は、81,600円となっていました。
この被保険者の前年の合計所得が「190万円以上400万円未満」の場合、第8段階(全11段階)に該当し、この基準額の1.6倍が年間保険料となります。

81,600円× 1.6倍= 130,560円(年額)

基準額や段階の倍率は自治体ごとに異なりますので、窓口や公式ホームページなどで調べてみましょう。

▼参考資料はコチラ
京都市『第1号被保険者(65歳以上)の介護保険料』

第2号被保険者の場合

前述の通り、加入しているのが国民健康保険かそれ以外の医療保険かにより算出方法が異なります。

●国民健康保険被保険者の計算例
・東京都葛飾区在住(税率が2.29%の場合)
・所得金額(総収入-給与所得控除額)/父(40歳)500万円・母(39歳)80万円・子0円

所得割は次の式で算出できます。

所得割 = 基準額(個人所得金額-基礎控除額43万円)×2.29%


基準額は個人ごとに計算されるので、この世帯の所得割は下記のようになります。

父の基準額(所得金額500万円-基礎控除額43万円)+ 母の基準額(所得金額80万円-基礎控除額43万円)= 494万円

494万円×2.29%=113,126円


次は均等割について見ていきましょう。
葛飾区が被保険者個人に割り当てた保険料が16,600円の場合、例の家庭では父のみが40歳以上で第2号被保険者に該当するため加算されます。

介護保険料=(所得割)+(均等割)+(平等割)より、以下のように計算されます。

所得割(113,126円)+ 均等割(16,600円)= 129,726円

※葛飾区では平等割が加算されません

●国民健康保険以外の医療保険加入者の計算例
・全国健康保険協会の医療保険(介護保険料率が1.57%の場合)
・月収23万円、賞与42万9,000円

上記より、下記のように計算されます。

(標準報酬月額 [23万円] + 標準賞与額 [42万9,000円])×介護保険料率 [1.57%] = 10,268円


さらにこれを会社と従業員で折半するため、負担額は5,134円となります。

介護保険の料金の支払い方法

保険料の金額計算が自治体などにより異なるように、介護保険の支払い方法もさまざまです。滞納がないよう、よく確認しましょう。

第1号被保険者の場合

第1号被保険者の場合は、次のいずれかによる支払いとなります。

(1)年金からの天引き(特別徴収)
(2)納付書による送金もしくは口座振替(普通徴収)

ただし、年金が18万円未満の方は、年金からの天引きができないので注意してください。

第2号被保険者の場合

会社員の第2号被保険者の場合、介護保険料は健康保険料とあわせて給与から控除されて支払われます。保険料は会社と折半するため、会社員が負担する金額は介護保険料の半額です。

自営業者の場合は国民健康保険料と同時に納付し、介護保険料の全額が自己負担です。

介護保険の料金に関する注意点

介護保険の料金は前年度の所得によって計算されます。そのため、自営業で収入が一定ではなかったり、退職などで収入が著しく変わったりしている場合は注意が必要でしょう。

自治体によっては、年収が大幅に下がった人のための対応策として国民年金の退職者特例ががあります。これは、退職して収入が大幅に変わった場合に前年度の年収を0円として計算するというものです。

介護保険料の支払いが免除されるケースとは?

また、介護保険には適用除外があります。
第2号被保険者で以下に該当する場合には、介護保険料の支払いが免除されます。

・海外居住者(国内に住所を有さない人)
・適用除外施設(身体障害者療養施設やハンセン病療養所など)の入所者
・短期滞在の外国人(在留資格が3か月未満)


この際、「介護保険適用除外等該当届」の提出が必要です。

またこの制度とは別に、自治体によっては独自に介護保険料の減免措置を設けているケースもあります。

介護保険の料金を正しく計算しましょう

今回は、介護保険の料金の仕組みについて解説しました。

介護保険料は、第1号被保険者か第2号被保険者か、地域、本人の収入によっても異なります。正しい金額を知りたい場合は、然るべき機関に問い合わせてみると良いでしょう。

基本的に、介護保険料を安くする方法などはありません。
しかし、毎月支払っている金額を最低限理解し、収入が下がった際などに行政の対応策などをうまく利用できるよう備えておきましょう。

 
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