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有料老人ホームにまつわる
事例を紹介します。

(相談事例2)ご本人に納得してもらうために

老人ホームの入居を検討していますが、本人が嫌がっています。どうすれば納得してもらえますか?

老人ホームの入居を検討していますが、
本人が嫌がっています。
どうすれば納得してもらえますか?

悩み事

87歳になる母の老人ホームへの入居を検討しています。父の他界後、デイサービス等を利用して一人暮らしをしていますが、最近少しずつ痴ほうが見られるようになりました。一人暮らしをさせておくのは不安なので、老人ホームへの入居を薦めて、何度か説得しました。ですが、「今の家を離れたくない」の一点張りです。一人暮らしは火の始末や戸締り、転倒してケガをしないか、急に体調が悪くなったらどうするのか、などとても心配です。私は、夫が転勤族のため、同居は難しいし、今は離れたところに住んでいるので、頻繁に様子を見に行くこともできません。また、妹夫婦が近くに住んでいますが、義父と一緒に住んでいるため母との同居はできません。心配なので、老人ホームに介護をお願いしたいのですが、どうしたら入居を嫌がらないでしょうか?

老人ホームへの入居検討の上手な進め方"

ご相談者様のように、ご家族が老人ホームを検討し始めても、入居するご本人が嫌がってしまう・・・とお困りになるケースは、決して少なくありません。どうすれば、ご本人に老人ホームへの入居を納得してもらえるのでしょうか?

①まずは嫌がる理由をしっかり聞いてみましょう

  • 老人ホーム=姥捨て山のイメージ、だから嫌
  • 環境の変化に不安を感じている、だから嫌
  • 住み慣れた家を離れたくない、だから嫌
  • 老人ばかりで暗いイメージ、だから嫌

②嫌がる理由を取り除いてあげましょう

  • 老人ホーム=姥捨て山のイメージ

    いわゆる介護度の重い方が多い介護施設のイメージかもしれません。今はお元気なうちから老後に備えて、ご自宅から高齢者向け住宅や老人ホームへ住み替える方もたくさんいらっしゃいます。

  • 環境の変化に不安を感じている

    出来る限りこれまでの生活と変わらないようにと、配慮してくれる老人ホームはたくさんあります。長年愛用している家具や身の回りのものを持っていける老人ホームなら、安心感が高くなります。また、食事やレクリエーションなど他の入居者の方と交流する機会も多くありますので、すぐに生活に慣れることができるでしょう。

  • 住み慣れた家を離れたくない

    高齢になると、長年住んでいる家を離れるということはとても不安に感じるものです。まずはいきなり老人ホームへ行くのではなく、親族の方のお宅に泊まったり、ショートステイを利用したり、外泊気分で家を離れることに慣れることで、少しずつ不安も少なくなります。

  • 老人ばかりで暗いイメージ

    お元気な方が入居している老人ホームなら、元気に楽しく生活をされている方がたくさんいらっしゃいます。
    ご自身で趣味やレクリエーションを楽しむことがポイントです。老人ホームでやってみたい趣味やレクリエーションなど、いきいきと暮らせる生活があることを伝えてみましょう。

③心の変化のきざしが見えたらご入居に向けて準備を進めましょう

ステップ1:じっくり検討してみましょう

ご本人が納得していない中、無理に入居を進めてしまうと、入居後に不満が残ってしまいます。病院から退院しなくてはいけない、老健施設から退去しなくてはいけないなど期限が差し迫っている状況であれば、すぐに入居先を決めなくてはいけませんが、あせりは禁物です。またどんなに良いホームでも、ご本人がなじめなくなってしまうと、周りの方との会話が楽しめなくなり、ひきこもってしまったり、認知症を引き起こしたり介護度が進んでしまったりと、お体が悪くなってしまうことがあります。

ステップ2:家族や親族と相談して協力しあいましょう

家族や親族との協力はとても大切です。老人ホームに入居するとなると、費用のことや引越し、財産管理など決めなければいけないことが山積みになります。家族や親族からの協力が得られると負担も減りますので、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。

ステップ3:専門家の意見をもらいましょう

医師やケアマネジャーも心強い存在です。専門家の意見があると、ご本人も受け入れやすくなります。
専門家の立場で、どのような理由から一人暮らしの危険性や在宅介護の難しさがあるのかなどを説明してもらいましょう。日頃から信頼関係を築いておくと安心です。

ステップ4:ショートステイ、体験入居を利用してみましょう

いきなり入居を薦めるのではなく、まずはこれらのサービスを利用してみましょう。住み慣れた自宅を離れることに少しずつ慣れてもらうことができますし、老人ホームの環境にも慣れてもらうことができます。その時に大切なのは、老人ホームの入居のためではなく、一時的なステイとして、いつでも自宅に戻れる安心感をもってもらうことです。環境に少しずつ慣れることで、ご本人も嫌がらなくなることがあります。

ステップ5:心配しているというあなたの気持ちを伝えましょう

老人ホームへの入居を薦めるのは、あなたがご本人を大切に思い、心配しているからだということを、ご本人へしっかりと伝えましょう。そして、ご入居後も、家族が訪問する頻度やホームでの暮らしを知る機会があるかどうかなど、具体的にどのようなやりとりや交流があるかということも安心につながります。離れて暮らしていても、いつも見守っていることをきちんと言葉で伝えましょう。

最後に・・・ご本人に納得してもらうために大切なこと

○無理に入居させない、ウソはつかない
○家族だから大切に思っていること、心配しているという事をしっかり伝える

 
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