介護保険の基礎知識 介護保険の基礎知識

さまざまな介護サービスを、1~3割の自己負担で受ける
ことができるのが「介護保険」です。

介護保険の申請方法と流れ

【保存版】介護保険を申請する方法や流れ、2つのポイント

【保存版】介護保険を申請する方法や流れ、2つのポイント

介護保険の申請方法をご存知でしょうか。利用する予定がなくとも、初めて申請される方は流れが分からず、不安を感じるでしょう。今回は介護保険の申請方法や流れ、切っても切れない要介護度認定の目安について解説します。

目次

介護保険を申請する方法

介護保険を利用するには、申請が必須です。申請できる場所と申請に持参するものを紹介します。

申請する場所

要介護認定の希望者本人が住んでいる市区町村の窓口にて申請することができます。申請窓口の名称は市区町村によって異なりますので、不安な場合はWEBサイトなどで事前に確認しましょう。

申請に必要なもの

申請には以下の4点が必要です。

要介護(要支援)認定申請書 市区町村の窓口もしくは、 WEBページから入手できる場合もある
介護保険被保険者証 本人が40歳から64歳の場合は、 健康保険被保険者証を用意
マイナンバー 本人の番号が確認できるもの、
身分証明書 運転免許証など顔写真付きのもの

本人以外が代行して申請する場合は、印鑑の持参が必要です。

介護保険申請の流れ

介護保険を利用するには、介護認定調査を受ける必要があります。介護保険・要介護認定の流れは以下の通りです。

① 必要書類の提出

先ほどご紹介した、書類を提出します。書類の受理後、介護保険被保険者証の代わりに、介護保険資格者証が渡されるので受け取ります。

② 訪問調査の日程の調整

介護認定調査には訪問調査がありますので、希望の日時をここで設定しましょう。

③ 訪問調査

市区町村の担当者やケアマネジャーが直接家庭に訪問し、聞き取り調査を行います。家族構成や生活状態などから必要な介護の程度を調査されます。

④ 一次判定

訪問調査で得られた、内容でコンピューターによって分析を行います。厚生労働省による共通のソフトを利用して、介護度・支援度の判定がなされます。

また、この一次判定時に申請した市町村などから、かかりつけ医に主治医意見書作成依頼がされます。かかりつけ医がいない場合は、指定された医療機関への受診が必要です。

⑤ 二次判定

一次判定の結果、主治医の意見書やその他の書類により要介護認定区分の判定を行います。5名ほどの介護認定審査会によって、介護度・支援度を検討されます。

⑥ 要介護認定の通知

申請から30日以内に、認定証と介護保険被保険者証が郵送で届きます。

介護認定の条件一覧

介護保険を利用する場合は要介護認定を受ける必要があると紹介しました。介護認定調査が必要な理由は介護のレベルによって、利用出来るサービスが変わるからです。各条件の目安をご案内します。

  • ① 身体機能や起居動作
  • ② 生活機能
  • ③ 認知機能
  • ④ 精神・行動障害
  • ⑤ 社会生活の適応
  • ⑥ 要介護レベル

① 身体機能や起居動作

普段の生活の基本的動作に障がいがあるかどうかをチェックします。体に麻痺があるか、関節の動きが正常か、その他「視力」「聴力」「寝返り」など計13項目をチェックします。チェックの方法は、実際に体を動かしてもらう方法や、本人もしくは家族からの聞き取り調査によるものです。

② 生活機能

「上衣の着脱」「外出の頻度」「トイレ」「食事摂取」など日常生活で必要な動作をしっかりと行えているかを中心にチェックします。

③ 認知機能

「昨日何を食べたか」「今日は何日か」などの短期記憶や「生年月日」、「自分の名前」、「今いる場所」を言えるかなどの意思伝達能力があるかが問われます。

④ 精神・行動障害

この項目では、過去1か月の生活で、何か不適切な行動がなかったかが問われます。例えば、、突然大声をあげたり、泣いたり笑ったり、感情が不安定であったことがなかったか、というものです。チェックは「あった」「どきどき」「なかった」で訊かれます。

⑤ 社会生活の適応

薬の内服、金銭管理ができるか、買い物や簡単料理ができるか、また集団に適応する能力があるかといった社会生活を適切に送る能力があるかが問われます。

⑥ 要介護レベル

聞き取り調査が終わると、チェックした項目をコンピューターに入力し、そこから要介護レベルが決定されます。レベル分けの基準となっているのは介護老人福祉施設などに入所、入院している3,500人の高齢者を調査したデータです。

要介護認定等基準時間の分類

要介護認定の分類は要介護認定等基準時間によって分類されます。

要支援1 要介護認定等基準時間が25~35分、
またはこれに相当すると認められる状態
要支援2 要介護認定等基準時間が32~50分、
またはこれに相当すると認められる状態
要介護1 要介護認定等基準時間が32~50分、
またはこれに相当すると認められる状態
(要支援2とは心身状態の様子で分けられる)
要介護2 要介護認定等基準時間が50~70分、
またはこれに相当すると認められる状態
要介護3 要介護認定等基準時間が70~90分、
またはこれに相当すると認められる状態
要介護4 要介護認定等基準時間が90~110分、
またはこれに相当すると認められる状態
要介護5 要介護認定等基準時間が110分以上、
またはこれに相当すると認められる状態

要介護レベル毎の心身状態について

以下に述べる状態が確認されましたら、介護保険の申請を考えた方が良いでしょう。要介護認定を受ける目安になりますので、ここはしっかりと確認してください。

要支援1 日常生活の基本的なことはほとんどできるが、
一部に介助が必要とされる状態
要支援2 要支援1よりもやや身体能力に問題が見られる状態、
歩行や立ち上がりが困難な状態
要介護1 身の回りのことはほとんどこなせるが、
要支援2に比べて運動能力や認知能力が低く、
部分的に介護が必要とされる状態
要介護2 要介護1よりも日常生活能力や理解力が低下し、
食事も排せつなど身の回りのことも介護が必要となる状態
要介護3 食事や排せつなど身の回りのことが介護なしではできない状態、
立ったり歩いたりすることが困難
要介護4 要介護3よりも動作能力が低下し、日常生活全般の介護が必要な状態
要介護5 最も重度な状態、1人で生活していくことができず、
食事、排せつ、着替え、寝返えりなど、あらゆる場面で介護が必要。
コミュニケーションも非常に困難。

介護保険申請の2つのポイント

介護保険を取得するまでの基礎知識について解説しました。ここでは、さらに介護保険申請について、押さえておくべきポイントをご紹介します。

  • ① 要介護者に該当するかを事前にチェック
  • ② 認定結果に納得がいかない場合の処置

① 要介護者に該当するかを事前にチェック

申請の手続きにかかる期間は決して短くありません。そのため、確実に要介護認定を受けられることを確認した上で申請を行ってください。申請をしたのに認定がされなければ、時間も手間も浪費してしまいます。

先ほどの一覧を参考に、ご自身やご家族が該当するかよくチェックしましょう。

② 認定結果に納得がいかない場合の処置

届いた認定結果に不服な場合は以下の2つの処置を行いましょう。

介護保険審査会に申し立てる

介護保険審査会では、不満の申し立てが行えます。申し立てができる期間は通知を受け取った翌日から60日以内ですので、早めに行動しましょう。

要介護レベルの変更申請をする

要介護認定の申請はいつでも行うことができます。月日が立ち、レベルを変更したい場合は、始めと同様に窓口に行って申請をします。

申請手順を正確に理解して手際よく介護認定を受けましょう

介護保険にはいくつもの工程があることをお分かりいただけましたか。申請には一定の時間と手間がかかります。今はまだ必要がないと思うかもしれませんが、余裕のあるうちから手順や必要書類を確認しておきましょう。

要支援度・要介護度のレベルによっては、支給される保険料が大幅に変わります。正しく理解し、少しでも負担を軽減出来るようにしましょう。

 
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