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入浴介助の手順と、事故や体調など注意すべき4つのポイント【高齢者介護】|介護のコラム

入浴介助の手順と、事故や体調など注意すべき4つのポイント【高齢者介護】|介護のコラム

更新日:2017.04.17

介護をするうえで欠かせないケアのひとつが、入浴介助。体をきれいに保つということは、人として最低限の欲求であり、尊厳の維持にもつながります。また、体の清潔が保たれないと、皮膚の病気や尿路感染症などを発症する原因にもなります。

しかし、自分の体を洗うのとは違って、他人の体や頭を洗うことは難しいもの。どのようなことに気をつければいいのか、どんな順番でおこなったらいいのかなど、戸惑うことが多いでしょう。また浴室は滑りやすいため、介助者・被介助者共に転倒が最も危険です。また、脱水症状やおぼれてしまうなど、高齢者の入浴介助についてはほかの介助よりも細心の注意を払う必要があります。

高齢者が気持ちよく過ごせるために、そして健康でいるためにも重要な入浴介助をおこなううえで気をつけるべきポイントや手順をまとめたので、参考にしてください。

入浴介助で準備するもの

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まずは、高齢者を入浴する前に準備しておくものをご紹介しましょう。

・バスタオル(大きくて吸水性の高いもののほうが、短時間で体を拭けるので便利です)

・着替え、必要に応じて新しいオムツや尿取りパッド

・ボディソープまたは石鹸(泡立てるのに時間がかからないポンプ式泡ボディソープがおすすめです)

・必要に応じてボディタオルやスポンジ(乾燥肌や敏感肌、肌疾患がある場合には手洗いがおすすめです)

・シャワーチェアや浴室フロア用の転倒防止マット

・浴槽内用の転倒防止マット

・必要に応じて保湿剤や皮膚科で処方されている塗布薬

・爪切り(高齢者の爪は硬化している場合が多いため、湯上がりは絶好の機会です)など

上記は入浴前に必ず準備しておきましょう。準備ができていない場合、途中で取りに行って、ご本人を裸のまま待たせてしまう、という自体を招きかねません。入浴介助では、高齢者を一人にさせないことが原則です。

次に介助者が身につけるものとしては、以下のものがあると便利です。

・エプロン(水を弾く素材のもの)

・滑りにくいゴム製の靴

・手袋(軍手は手洗い、滑り止めともに向いています)

介護者自身が濡れてしまう可能性があること、バスルームは滑りやすいことを考慮した服装を心がけましょう。

入浴介助で注意すべき4つのポイント

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では、入浴介助の具体的な手順や注意点を説明する前に、入浴介助を通して心がける点を紹介します。

入浴介助の具体的な手順や注意点を説明する前に、入浴介助を通して心がける点を紹介します。

1.体の状態を観察する

日常生活において頭から足先まで、入浴時以外で全身を観察する機会はなかなかありません。入浴介助をしながら、皮膚が乾燥していないか、傷がないかなどをチェックしてみてください。寝たきりでなくても、座っている時間が多いと、腰などに褥瘡(じょくそう/床ずれのこと)ができることもあります。

また、病気や怪我のために、皮膚が腫れたり、ただれたり、赤くなったりしていることも。入浴時は全身を見ることができるので、異常の有無を確認する機会にしましょう。

2.体調が悪いときは絶対に無理をしない

体を清潔にすることは大切ですが、体調が悪いときに無理をする必要はありません。無理をすると、悪化させてしまう原因にもなってしまいます。そのようなときは、入浴の代わりに温かいタオルで体を拭いたり、足だけをお湯につける「足浴」をおこなったりしてもよいでしょう。

3.安全を最優先する

自宅の浴室で入浴介助をおこなう場合、設備や広さなど、どうしても施設と同じようにはできません。その分だけ安全には十分に配慮する必要があります。

脚がしっかりしていて適度な高さのあるシャワーチェアや、転倒防止のマット(浴室フロア用と浴槽内用)、手すりを備えるリフォームなど、設置できるものを最大限に利用しましょう。可能であれば一人ではなく二人で介助したりするなど、工夫してください。

介護度が上がり、家族での介助が困難になった場合は、訪問入浴サービスやデイサービスでの入浴などを利用することも、選択肢として考えてみるとよいでしょう。

4.できるところは自分でやってもらう

入浴介助をしていると、本人ができるところまでついつい手を出してしまいがちです。そこはグッとこらえて、できるところは自分でやってもらうように心がけましょう。

特に羞恥心を伴う局部については、可能であれば自分で洗ってもらいましょう。本人にできることをやってもらうのは、ADL(日常生活動作)の維持にもつながってきます。

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では、次からは実際に入浴介助をどのように進めていくのか、入浴前・入浴中・入浴後に分けて説明していきます。

入浴前の準備・注意すべきポイント

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冒頭でも説明しましたが、入浴介助を実際にする前に、物品の準備や確認を忘れないことが、事故や体調の悪化の防止につながります。

①空腹時や食事の直後の入浴は避けましょう。

②入浴介助を始める前に、浴室の準備をしておきましょう。

浴槽にお湯を張り、浴室と脱衣所を温めておきます。浴室暖房があれば、それを利用するとよいでしょう。脱衣所に小さい電化暖房器具を置くと便利です。冬場はヒートショック(主に冬の寒暖差による脈拍や心拍の急激な異状)が起きやすくなります。十分に注意してください。

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③体調が悪くないかを事前にチェックしましょう。

体調が悪いまま入浴すると、さらに体調が悪化してしまいます。血圧が高すぎないか、発熱はしていないか、脈拍や呼吸、表情に変化はないかなど確認してから、入浴を促すようにしましょう。なお、本人が入浴したいかはとても大切です。

入浴中に注意すべきポイント

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①足元に注意しながら、シャワーチェアに腰をかけてもらいます。

手すりがある場合は、手すりにつかまってもらいましょう。そして、足元からゆっくりお湯をかけていきましょう。温度を確認しながら、少しずつ慣れてもらいます。お湯をかける際に必ず声をかけるようにしましょう。

②ある程度体が温まったら、頭部から洗っていきます。

頭皮を洗うときには、指の腹でやさしくこすります。シャンプーの流し残しがないように、すすぎはしっかりおこないましょう。整髪時に髪のもつれが見られる方にはリンスやコンディショナーを用いましょう(ただし、浸けおき時間が短いものを使いましょう)。

③体はボディタオルやスポンジ、または軍手や素手でやさしく洗います。

高齢者の方は皮膚が弱いことが多く、力を入れてこすると傷つきやすいので注意しましょう。汗をかきやすい場所(脇、乳房の下、肘や膝の内側など)は、とくに洗い残しがないように気をつけてください。また、排泄物で汚れやすい陰部もしっかりと洗っておきましょう。

④体を洗い終わったら、お湯に浸かります。

手すりをつかんでもらったり、体を支えてあげたりしながら、ゆっくりと浴槽に入ってもらってください。この際、心臓に遠い部分からお湯に浸かるように注意をしましょう。のぼせてしまう危険もあるので、お湯に浸かる時間は5分程度に留めてください。浴室から出るときも、バランスを崩さないよう支えながら、ゆっくりと出ましょう。

入浴後に注意すべきポイント

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①体や頭部の水分をしっかりタオルで拭き取ります。

とくに足の裏が濡れたままだと転倒のもととなりますので、十分に拭き取りましょう。

②清潔な衣服へ着替えをします。

入浴後は血圧の変動でふらついてしまうこともあるので、椅子に座ってゆっくりと着衣をおこないます。

③入浴後の体調変化に気をつけ、しっかり水分補給をしてもらいましょう。

④入浴後は皮膚や爪が柔らかくなりますので、必要に応じて保湿剤を塗ったり、爪切りをしたりするとよいでしょう。

皮膚科で処方されている軟膏なども、入浴後の皮膚がきれいになったタイミングで塗ると効果的です。

⑤入浴前と同様に、血圧や体温などを測り、異常がないかチェックしましょう。

気持ちのよい入浴は準備次第

介助をする家族にとっては、入浴介助は体力も時間も必要なので大変です。その苦労を軽減するために必要なのが事前の準備であり、ポイントを知っておくことです。

入浴は、体が清潔になったり病気の予防になったりするだけでなく、ご本人の気分転換にもなるものです。介助をする側もされる側も、気持ちよく入浴の時間を過ごすことができるよう、準備や手順などを気をつけておこないましょう。

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