介護のお役立ちコラム

介護に疲れた......そう思ったときに心得ておきたい3つの対処法|介護のコラム

介護に疲れた......そう思ったときに心得ておきたい3つの対処法|介護のコラム

更新日:2017.05.22

在宅介護には、休みがありません。がんばって介護をしても、よくなるばかりか症状が悪化したり、ひとりで介護の辛さを抱え込んだり......。精神的にも肉体的にも日々すり減っていきます。 そんな毎日を送っていると、どんなに大切な家族の介護であったとしても、疲れはどんどん溜まっていき、「もうどうにもならない」と追い込まれてしまうこともあるでしょう。

このように「介護に疲れた」と感じたときはどうしたらいいのか。あるいは、疲れにくくするためにできることはあるのか。介護疲れへの対処・予防方法、そして介護疲れが原因で起こる問題について、一緒に考えていきましょう。

「介護離職」「介護うつ」「介護殺人」......介護が原因で起こる問題

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介護離職

介護疲れが原因で起こる問題はさまざま。その問題のひとつが、「介護離職」です。親や祖父母などの介護と仕事との両立ができずに、仕事のほうを退職せざるをえなくなることを指します。

仕事をやめれば介護に専念はできますが、収入の減少はもちろん、キャリアを中断することによる将来への影響など、多くの問題が付随してくるため、介護離職はあまりおすすめできません。

介護離職については、こちらの記事もどうぞ

介護休業法改正と、24時間訪問介護サービスで、「介護離職者ゼロ」の日本へ。

介護うつ

介護により生じるストレスや、「大事な家族なのだから私がきちんと見なくては」という責任感などから、うつ状態に陥ってしまうケースもあります。 うつ病は環境を変えれば改善することもありますが、介護が必要な状況はなかなか変えることができません。

介護うつの対策については、こちらの記事もどうぞ

介護うつにならない・ならせないために、今一度見直したい"家族"としての役割

介護殺人

近年ニュースでも取り上げられることが増えているのが、「介護殺人」。介護に疲れ、将来を悲観し、その結果家族を殺してしまうという悲しい事件が多く起きています。中には、家族全員で心中を図るケースもあります。 介護疲れを放置すると、このような多くの問題が起こる可能性があるのです。

介護殺人については、こちらの記事もどうぞ

過去の新聞記事から読み解く「介護殺人」の実態

介護疲れを楽にする3つのポイント

上記のような問題は、「介護疲れ」を早期に改善することで防ぐことも可能です。介護サービスや福祉制度などをうまく活用したり、また日々の生活の中で疲れを溜めないよう工夫したりすることが大切です。

以下に介護疲れを軽くするためのポイントを3つ挙げていますので、参考にしてください。

1. ボディメカニクスを身につけて体の負担を減らす

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まず大切なのが、介護をするときに体の負担を減らして、疲れにくくすること。高齢者の体を支えたり、体の向きを変えたりするときに無理におこなうと、介護する側もされる側も負担に感じてしまいます。その負担を軽減するのが、ボディメカニクスです。

ボディメカニクスとは、力学の原理を使って、体の負担を減らす技術のこと。このボディメカニクスを活用することで、疲労を最小限にし、腰痛などの不調も防ぐことができます。 ボディメカニクスを活用するポイントは、おもに以下の4つ。

①重心を低くし、両足を広げて支える面積を広くする

支えるときに安定感が出るので、無駄な力を使わずに済みます。

②相手に可能なかぎり近づく

近い距離であれば体全体で支えられるので、体への負担を分散させることができます

③てこの原理を使う

起き上がるときに腰を支点にして回転するようにすると、容易に起き上がりの介助ができます。

④相手の体をできるかぎり小さくまとめる

腕や足が広がっていたりすると、支えるのが難しくなってしまいます。腕は曲げて体の上に置く、膝は揃えておくなどの工夫をすると、介助がしやすくなります。

また、自分でできる範囲は自分でやってもらうことで、介護者の負担軽減だけでなく、高齢者の身体機能の維持にもつながります。体調などを見ながら、できることはやってもらうように促すことも大切です。

ボディメカニクスについて詳しく知りたい方はこちらもどうぞ

在宅介護者必見!辛い腰痛を防ぐ「ボディメカニクス」のすすめ

【関連記事】

介護の肉体的負担を軽く「着る、筋肉。」マッスルスーツ開発者・小林宏教授インタビュー

2. 相談相手を持ち、精神的負担を減らす

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介護は数年から十数年、あるいはそれ以上の長い期間を要します。ひとりで抱えていると、精神的に疲れが溜まってしまいますので、相談できる相手を持っておくことが大切です。 家族の協力を仰ぐことは第一として、市町村に設けられている地域包括センターや介護相談専用の窓口を活用してもよいでしょう。また、通院している病院の専門職員(ソーシャルワーカーなど)のスタッフに相談するのも選択肢としてあります。

ひとりで抱えて思い悩み続けると、視野が狭くなり、精神的にも追い込まれてしまうかもしれません。小さなことでもいいので、普段から誰かに相談するよう心がけておきましょう。

相談施設について、詳しくはこちらの記事もどうぞ

家族が認知症になったら......。親身に相談に乗ってくれる窓口とは

3. 介護施設を利用するのも選択肢に

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自宅での介護がどうしても難しく、介護離職や介護うつを引き起こしかねないと感じたら、老人ホームなどの介護施設を利用するのも手です。 日中だけレクリエーションや日常のお世話をしてもらうデイサービスや、最大30日だけ入所できる短期入所生活介護(ショートステイ)で部分的に利用する方もいるでしょう。

あるいは料金は多少かかりますが、有料老人ホームや特別養護老人ホームなど、完全に生活の場を移すという選択肢もあります。本人の介護度や、家庭の状況などで判断しましょう。 このような介護施設を利用することを「家族を見捨てた」と罪悪感を覚える方もいますが、決して悪いことではありません。むしろ、疲れてしまって投げやりな介護をしてしまうよりはずっと、家族のためになるということを覚えておきましょう。

有料老人ホームの入居費用についてはこちら

数千万円かかるケースも?有料老人ホームの入居費用のはなし

「ずっと続けていける介護」を見つけていく

長い期間、家族の介護を続けていくうえで大事なのは、完璧にこなそうと努力することではありません。互いの負担が少なく、無理なく続けていける方法を考えることこそが大切なのです。自分と家族、両方をいたわった介護を続けていきたいものです。

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