介護のお役立ちコラム

アンガーマネジメントとは? 介護をしている人にも役立つノウハウをご紹介|介護のコラム

アンガーマネジメントとは? 介護をしている人にも役立つノウハウをご紹介|介護のコラム

更新日:2019.10.16

アンガーマネジメント

ここ最近、「キレる老人」による傷害などのニュースが目立っています。怒りの感情は誰にでもあるものですが、加齢とともにその感情にブレーキが効きにくくなり、つい暴走してしまうようです。もちろん、これは高齢者にかぎった話ではなく、私たちにも起こり得ることと言えます。今回は、怒りを抑える感情のコントロール方法について紹介しましょう。日々の介護の中で起こる怒りにうまく対処できるノウハウを身に付けたいものです。

良好な人間関係のために必要なアンガーマネジメント

人間は喜怒哀楽の感情がある生きもの。日々の生活の中でこれらの感情が高ぶり、つい人前でその気持ちを爆発させてしまうことも少なくないでしょう。"怒り"を誰かにぶつけてしまうことはできるだけ避けたいところです。怒りの感情をコントロールすることを「アンガーマネジメント」と呼びます。

そもそも怒りのメカニズムは、寂しさ、不安、むなしさ、悲しみといったネガティブな気持ちを覚える第一感情に始まり、それが処理されないまま心の許容量(キャパシティ)がいっぱいになり超えてしまうことによって、怒り(=第二次感情)につながるのです。

誰しもが「こうあるべき」という個人的なガイドラインみたいな基準を持っているはずです。しかし、性格やポリシーなどは人それぞれであり、自分の価値観を100%相手に求めることは現実的ではありません。頭ではわかっていても、自分の気持ちを他人は理解してくれない、自分ができることなのに他人はできない。こういった状況が続くとフラストレーションが徐々に蓄積されて、いつの日か怒りが爆発して誰かを傷つけてしまう恐れがあるのです。

こういった状況を避け、良好な人間関係を築くためにもアンガーマネジメントは必要なのです。それでは具体的にどういった行動に移せばよいのか見ていきましょう。

アンガーマネジメントは最初の6秒で決まる!

アンガーマネジメントのポイントは6秒

人が怒りの絶頂に達する時間は6秒と言われています。つまり、初めの6秒間をうまくやり過ごせば冷静になることができるのです。具体的には以下4通りのやり方で怒りを和らげることができます。

●カウント
心の中で数字を1からカウントします。そうすることで怒りの気持ちをそらすことができるのです。

●自己暗示
心の中で「冷静になれ」「ここで怒れば周りに迷惑がかかる」などと自分に言い聞かせます。カウント同様、怒りの気持ちをそらすことになります。

●その場から逃げる
怒りの対象が目の前にいる場合、一旦その場を立ち去り気分転換を図ります。

●ほかの動作で気分を紛らわす
仕事中などどうしてもその場を離れることができない場合、水を飲む、手鏡で自分の姿を見るなど、なにか別の動作をして気を紛らわせます。

これらのプロセスで怒りが収まれば問題ないのですが、特に認知症介護では、高齢者に対して説明したこと、注意したことを覚えてもらえず、同じ行動や言動の繰り返しにいらだちを覚える人が大多数です。初めはうまくアンガーマネジメントができていても、徐々に自分の怒りをコントロールできなくなってしまいます。

こういったケースでは、「仕方ない」と割り切る気持ちが重要です。「認知症がそうさせているんだ」「自分とは育った時代が違うから価値観の乖離は仕方ない」といった具合に、深く考えず気楽に構えて怒りを溜め込まないようにしたいところです。

介護現場とアンガーマネジメント

介護現場とアンガーマネジメント

介護の現場でもアンガーマネジメントが導入されています。当然ですがプロの介護士は仕事で介護に従事しているため、認知症や徘徊高齢者への対処などにも秀でています。しかし、同じ人間であるがゆえ、日々の仕事の中でストレスを溜め込んでいるのも事実です。

まず、怒りに対して点数を付けるプロセスがあります。入居者や利用者に対して覚えた怒りを1から10までのレベルで採点します。点数を付けるうちに「前回と比較してどうだったか」「同僚だったら何点ぐらい付けるだろう」といった具合に、採点する時間を取ることで物事を客観的に考えられるように、怒りを和らげることができるのです。

次に怒りの内容を書き出すことです。起きたことやそのときの自分の感情をメモに取るうちに、採点と同様に怒りを客観的にとらえることが可能になります。また、蓄積されたメモを参考に、高齢者の行動・言動パターンとそれに対する自らのリアクションが可視化できるため、問題の多い高齢者への対処方法を講じることにつながり、さらにスタッフ一同その情報を共有することもできるようになるのです。

アンガーマネジメントについて詳しく知るオススメ本の紹介

上記で取り上げたとおりの手法でおおまかにアンガーマネジメントについて理解を深めていただけたかと思いますが、アンガーマネジメントは心理学と密接していることから、書籍を読んでより見識を深めてみるのもよいでしょう。

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まずは自らの心に余裕を持つこと

「キレる老人」は決して他人事ではなく、もしかしたら将来の私たちの姿を映し出しているのかもしれません。若いうちから感情をきちんとコントロールできる術を身に付ければ、将来、家族など周囲の人に迷惑をかけることもなくなります。自らの心にも余裕ができれば、きっと穏やかに余生を過ごすことも可能になるはずです。

■参考文献
アンガーマネジメントの意味とは?診断方法・怒るのタイプと沈め方を紹介|CANVAS - 第二新卒のこれからを描く
5分でわかるアンガーマネジメントのやり方~怒りをコントロールする方法
アンガーマネジメントとは?怒りの仕組みやコントロール方法、おすすめ本をご紹介_BizHint(ビズヒント)
「怒りのピーク」は6秒、感情と上手に付き合う秘訣|出世ナビ|NIKKEI STYLE
認知症介護が上手くいくアンガーマネジメントとは _ 認知症オンライン

 

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