介護のお役立ちコラム

老老介護とは? その現状とサポート内容、アドバイスについて紹介|介護のコラム

老老介護とは? その現状とサポート内容、アドバイスについて紹介|介護のコラム

更新日:2017.11.01

高齢化と核家族化が進んでいる現代では、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」が増えています。

介護は力仕事も多く、若者でも大変です。体力の衰えが見られる高齢者にとって老老介護は心身ともに負担が大きくなるので、他者のサポートが必要不可欠です。そこで今回は、老老介護の説明から現状、サポート内容などについて紹介します。



老老介護とは?

老老介護とは、「要介護者(介護を受ける人)を65歳以上の高齢者が介護している状態」のことです。ともに75歳以上同士の場合は「超老老介護」、ともに認知症を患っている場合は「認認介護」と呼ばれています。

平成29年に厚生労働省が行った国民生活基礎調査によると、要介護者・介護者ともに65歳以上の「老老介護をおこなう世帯」は、在宅介護をおこなっている世帯全体の約5割。75歳を超えている「超老老介護をおこなう世帯」は全体の約3割で、この数字は年々上昇傾向にあります。(※1)

また、要介護者の増加も老老介護を加速させる要因となっています。 厚生労働省が発表した平成29年6月分の介護保険事業状況報告によると、全国で要介護・要支援認定者は636.9万人。10年前の平成19年と比較すると約200万人増えた計算になり、今後もこの数は増えていくと推測されているのです。(※2)

※1:厚生労働省 平成28年 国民生活基礎調査の概況より

※2:【平成29年度要介護・要支援認定者統計】第2-1表 要介護(要支援)認定者数 男女計



老老介護の問題点とは?

老老介護の問題点には、様々なものが挙げられます。

まずは、介助者側の負担があります。要介助者を移動させるためでも体力が必要ですし、日常生活すべてをフォローすることは精神的にも疲れます。介助者も高齢化している老老介護の場合は、特に腰痛などに悩まされることも少なくありません。

また、高齢者の中には、家族以外の第三者を自宅に呼ぶこと自体に抵抗を感じる人もいるかもしれません。その結果、ストレスが溜まって要介助者・介助者ともに疲れてしまうということもあり得るのです。「介護は家族で行うもの」だという価値観を持っている人も多く、介助者への負担を増やしているという一面もあります。

このような背景から、老老介護を行う世帯はますます増えていくでしょう。老老介護の問題は誰もが当事者になりうる可能性があるのです。



老老介護をする際に頼りになる介護サービス

今後ますます増えることが予想される老老介護ですが、1人ですべてをおこなおうとすると負担が大きくなってしまいます。

老老介護では、介護をする側も何らかの疾患を抱えている場合も少なくありません。介護者が通院する時間を作ったり、心身の負担が溜まったりしないよう、介護サービスをうまく活用しながら、なるべく負担が大きくならないように工夫することが大切です。

そこで、この段落では老老介護をおこなう際に頼りになる介護サービスをいくつかご紹介しましょう。



デイケア・デイサービス

在宅介護をしていく上で、まず利用を考えたいのが、施設に入居する必要がなく施設に通ってサービスを受ける「デイケア」や「デイサービス」。日中は通所先で様子を見てもらうことができるため、介護者が休息したり、持病の治療のために病院に通ったりすることができます。また健康面もチェックしてもらえるため、その点でも安心です。

「デイケア」は通所リハビリテーションと呼ばれるサービスで、食事や入浴などの生活援助を受けることもできますが、あくまでリハビリをおこなうために通所するものになります。

一方で、「デイサービス」は通所介護と呼ばれており、食事や入浴、機能訓練などの介護サービスがメインです。また、自宅から施設まで送り迎えをしてくれる施設もあるので、高齢者にも利用しやすいサービスだと言えるでしょう。

これらのサービスは、介護保険が利用できるため自己負担額が抑えられます。料金は、要介護度や利用時間、利用するサービスなどによって違いますが、デイサービスは1日数百円~二千円ほど。デイケアのほうは数百円ほど高めです。



ショートステイ

介護者の一時的な負担軽減として利用できるのが、ショートステイ(短期入所生活介護)です。

短期間入所できるサービスで、食事や入浴などの生活援助が受けられ、連続して最長30日まで滞在することができます(30日までは自己負担割合が1割。一定の所得がある「第1号被保険者」は2割。31日目以降は全額自己負担)。

ショートステイは体調不良や仕事、急な用事などで介護が困難な場合のほか、介護者の疲労を緩和する目的でも使われることがあります。利用料金は、1日数千円ほど。 ※料金は要介護度や施設、利用する居室のタイプなどによって異なります。

もし介護を受ける方が疾病を持っていて、医療的なケアが必要な場合は、医療型ショートステイ(短期入所療養介護)を利用しましょう。利用料金は、ショートステイ(短期入所生活介護)より1日数百円ほど高くなります。

ショートステイと医療型ショートステイは、どちらも利用希望者が多いため、冠婚葬祭など外せない用事がある場合は、早めに予定を施設に確認することをおすすめします。

ショートステイとは?サービスの概要を紹介


訪問介護・看護

ケアワーカーやホームヘルパーが自宅に直接訪問してくれるのが訪問介護・看護です。このサービスを使えば、介護を受ける方が自宅にいながら、介護者の負担を減らすことができます。

訪問介護で受けられるサービスは、食事や排泄、入浴などの身体介助、食事の準備や掃除などの生活援助、通院時のサポート(介護保険タクシー)など。訪問看護では、介護と同じ身体介助のほか、病状のチェックなどの医療サービスを受けることができます。

老老介護をおこなうなかで介護者が体を壊してしまったり、寝たきりになってしまったりする場合も考えられますが、「毎週○曜日」という形で定期的に訪問介護を頼んでいれば、共倒れも防ぐことができるでしょう。

費用は、「訪問介護」が1回あたり数百円、「訪問看護」が数百円〜千円前後です。※料金は要介護度や訪問時間、受けるサービス内容などによって異なります。

離れていても安心できる、「訪問介護」のメリットや利用方法は?


老人ホームなどの介護施設

どうしても自宅で介護を続けることが難しくなったら、老人ホームなどの施設に入居することもひとつの選択肢です。上記3つのサービスより費用はかかりますが、介護の負担を大きく減らすことができます。また、有料老人ホームであれば、夫婦ふたりで入居できる施設も選べます。

費用は施設によってかなり差があり、介護度によっても異なってくるので、各施設に問い合わせてみると良いでしょう。

老人ホームを探すときには老人ホームの比較・検討サイトを使ってみましょう。老人ホームの比較検討サイト「さがしっくす」は全国の有料老人ホームの3分の1を掲載しています。エリアや費用など、条件に合わせた検索ができるほか、資料請求もできますので、ぜひご活用ください。

◎ https://www.sagasix.jp/


地域包括支援サービスとは?

地域包括支援センターとは、自治体などによって設置されている、高齢者の暮らしを地域でサポートする施設です。看護師や社会福祉士、ケアマネジャーが働いており、介護はもちろんのこと、医療機関などと連携して高齢者の生活をサポートしています。各専門家が連携しているので、施設をたらい回しにされることもありません。

地域包括支援センターを利用するには、各センターのホームページなどを確認し、連絡先を確認しましょう。センターは日本全国にありますので、まずはお近くの地域包括支援センターに問い合わせてみてはいかがでしょうか?



老老介護は他人事ではありません

近年では、核家族も増えているため、超高齢者夫婦を高齢者の子どもが介護するパターンも増加しています。年々増えている老老介護は決して他人事ではありません。

介護を受ける側も、介護をする側も安心できる介護を行うには、ひとりで抱え込まずにさまざまなサポートを受ける必要があります。

近くの地域包括支援センターや役所の高齢者担当窓口に早めに相談して、必要に応じた介護サービスを利用しながら、介護生活を無理なく続けられるように工夫していきましょう。



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