介護のお役立ちコラム

生活保護や低所得者でも入居が可能な老人ホームは?|老人ホームのコラム

生活保護や低所得者でも入居が可能な老人ホームは?|老人ホームのコラム

更新日:2018.12.28

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老人ホームへ入居するにあたり、ほとんどの方が年金や預貯金などをベースにして、月額費用を考慮して入居を決めています。

しかし、毎月の年金受給額が10万円を切る世帯や、持ち家などの資産を保有していない高齢者も多くいるのが現実で、貧困世帯の最後のセーフティネットである生活保護を頼りに生活している世帯も多く存在します。

そのような中、生活保護や低収入を理由に老人ホームへの入居を諦めている人もいるようですが、低所得者でも入所できる施設は存在します。

今回は、生活保護受給者でも入所できる施設や申込み前の注意点などについて触れてみます。



「介護扶助」の適用で、介護に関する費用はゼロ円負担に

生活保護は、生活に困窮する人に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護をおこない、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とした国が定める保障制度です。

現在、日本では約160万世帯が生活保護を受けており、そのうちの約半数を超える約85万世帯が高齢者世帯となっています(厚生労働省平成29年3月調査分)。

具体的には、生活扶助(食費、光熱費など)、住宅扶助(アパートの家賃)、教育扶助(義務教育を受けるために必要な費用)、医療扶助(医療費、通院時の交通費)など生活のあらゆるシチュエーションで発生する費用に対し、国が金銭的な補助をしてその人(世帯)の生活を支援しています。

生活保護に認定されるには厳格な審査があります。例えば、持ち家や自動車などの資産の保有は認められません。支給される金額についても、自治体によってその上限額が決められており、年金などの収入がある世帯は、通常支給される生活保護費から年金の支給額を差し引いた額が支給されます。生活保護を受けている人は、この上限額を上回らないように生活する努力が求められます。

現在、介護サービスを利用する場合の個人負担額は全体の1~2割となりますが、生活保護受給者が介護サービスを利用する場合、「介護扶助」が適用されます。上記で説明したさまざまな扶助とは異なり、介護扶助は介護サービス利用または現物支給となります。つまり、通常の介護保険で利用できる、通所介護(デイサービス)、訪問介護でのケア、福祉器具の貸与、手すりの取り付けやバリアフリー工事といった住宅改修費用の個人負担分が介護扶助によってまかなわれるため、利用者の負担額はゼロ円になります。

ただし、要介護度に応じた限度額を超えた分の介護サービス、または介護保険適用外のサービスについては利用者の100%実費負担となるため注意が必要です。



生活保護でも入居できる施設は存在する

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いくら生活面の保障はされていても、

「生活保護の人を受け入れてくれる施設はあるのか?」 「申し込みの時点で断られるのではないか?」

そういった不安を抱えている人も多いことでしょう。いくつか条件は限られてくるものの生活保護受給者を受け入れてくれる高齢者施設は存在します。

個人負担額が少ない特別養護老人ホーム(特養)が理想的かもしれませんが、地域によっては入居希望の待機人数が多く、しかも原則要介護度3以上の高齢者しか受け付けてくれません。

特養以外で低所得者でも入居できる候補で挙がるのが、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホームといった施設になります。生活保護者の受け入れについては、各事業者ともガイドラインを設けており、一切の受け入れが不可なところもあれば、人数に上限を設けて受け入れているところもあります。

施設は、毎月の家賃、そして食費や光熱費が発生します。このうち家賃については住宅扶助、その他生活費については生活扶助の限度額内で収まる施設を探すことになります。また有料老人ホームについては、入居一時金を撤廃している事業者もあります。そういったホームがうまく見つかれば、入居のハードルは一段と低くなります。

中には入居者の中心が生活保護受給者の老人ホームもあります。住宅型の場合、介護サービスは入居者の意思で外部の事業者を選定することになりますが、入居者に対しその老人ホームと同系列の介護事業者をあっせんする、いわゆる"囲い込み"で収益を増やそうとする事業者もいます。

こういった業者すべてが悪質とは限りませんが、俗に言う「貧困ビジネス」の温床ともなり得るため、しっかりと信頼のできる事業者を見分けることが重要です。



入居希望者は、まずはケースワーカーに相談

では、今現在、生活保護を受給している人が老人ホームなどへの入居を希望する場合、どのようにすればよいのでしょうか?

まずは生活保護受給の担当をしている市区町村の福祉事務所職員(ケースワーカー)に相談し、施設への入居意思を伝えることです。ケースワーカーは多くの生活保護受給者と接しているため、低所得者でも受け入れてくれる施設の情報が豊富です。

費用面からどういった施設ならば入居可能か教えてくれるので、施設選びの基準にするようにしましょう。その他にも、「今の生活環境をあまり変えたくない」「具体的にいくら以内の出費で抑えたい」など個人に見合った相談も親身に聞いてくれることでしょう。

もし現在の住所を離れて異なる市区町村の施設に入居(転居)となる場合、移管の手続きが必要となります。生活扶助や住宅扶助の上限額は各自治体によって異なるため、新たな転居先の市区町村が定める上限額をオーバーしないことが入居の条件となります。

終わりに

生活保護を受給している世帯のうち約半数が高齢者世帯です。同じ低所得世帯でも、生活保護に頼らず少ない年金の中でやりくりしている家族、預貯金を切り崩しながら質素な生活をしている家庭も多く存在します。

その中には、社会保障には頼れないというプライドもあれば、生活保護の認定基準に対する知識がなく「自分は受給できない」と勝手に思い込んでいる高齢者も多く存在します。

頼れる家族もなく体が不自由になれば、いずれは社会保障に頼らなくてはならない日がやってきますが、老人ホームなどの施設に入居して安心した生活を送る権利は国民誰もが持っているものです。金銭面や家族の問題などに不安を感じている人は、勇気を出してまずはケースワーカーに相談してみるようにしてみてください。

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