介護のお役立ちコラム

老人ホームの費用を抑えるために。軽費老人ホーム(ケアハウス)とサ高住のすすめ|老人ホームのコラム

老人ホームの費用を抑えるために。軽費老人ホーム(ケアハウス)とサ高住のすすめ|老人ホームのコラム

更新日:2016.09.29

【最終更新日:2019年1月16日】

最近は、高級ホテルのような重厚かつ豪華な建築に加え、デザインされた内装、居室、サービスが行き届いたスタッフ対応や、満足できる食事......など高級老人ホームが話題となっています。

安心かつ充実した老後が約束された施設ですが、その設備が充実しているほど入居のための初期費用や毎月かかる施設利用費は膨大なものになります。

「そんなお金払えない」「在宅介護では負担がかかる」などの葛藤が常に介護にはつきものです。施設に入居するなら特別養護老人ホームが費用を抑えられますが、入居条件が要介護3以上であることや、地域によっては入居待ちが長期にわたることもあるため入居のハードルが高くなります。

そんな悩みを抱えるならば「軽費老人ホーム(ケアハウス)」をご検討されてみてはいかがでしょうか?

軽費老人ホームは、今後需要が増えることが見込まれており、都市型の軽費老人ホームも増加しています。

◎増加する「都市型軽費老人ホーム」とは?

今回は、低価格で入居できる軽費老人ホームについて、入居者の要介護度や価格帯という点で近い「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」との比較も交えながら解説していきます。



軽費老人ホームの種類はA型・B型(従来型)、そしてC型(ケアハウス)の3種類

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軽費老人ホームとは、比較的低価格で入居できる福祉施設のひとつです。民間会社が運営している有料老人ホームと違い、地方自治体または社会福祉法人によって運営されています。

軽費老人ホームには大きく3つのタイプがあります。A型、B型、そしてC型(ケアハウス)の3つです。A型・B型は「従来型」と呼ばれ、C型(ケアハウス)とはその入居条件やサービスも異なります。まずは従来型について説明しましょう。



A型・B型の軽費老人ホームは減少していく

家 AB

A型は、入居者に対して食事の提供があるタイプで、建物内には食事するスペース(食堂)が設けられています。B型は食事の提供がないタイプ。入居者は自炊する必要があるため、居室内にキッチンやトイレが設けられています。食費がかからないため、A型に比べて費用が安く済むのが特徴です。

ただし、この従来型の経費老人ホームの入居には、いくつか条件があります。 まず、軽費老人ホームは介護サービスを受けることを想定した施設ではないため、「要介護」の人は入居できません。職員は、主に生活支援や安否確認をおこなうために常駐しているため、介護が必要な状態になれば退去を迫られる可能性が大きいので注意が必要です。

また家庭の事情も入居条件に関係し、身寄りがなく一人暮らしが厳しいと判断された人、家族と同居できない人などが入居対象です。その他の入居基準としては、60歳以上であること(夫婦の場合はどちらかが60歳以上でも可)、共同生活に対応できること、毎月の家賃の支払い能力があることなど、細かく条件が規定されています。

このように制限の多い従来型は、1990年以降新設されておらず、2004年を境にその数を徐々に減らしつつあります。今後、従来型は C型(ケアハウス)にシフトされ、そのうちなくなるだろうと見られています。 では、次の章では「ケアハウス」について見ていきましょう。



「一般型」と「介護型」があるケアハウスが主流

Alphabet - letter C

ケアハウスは、大きく「一般型」と「介護型」に分類されます。ともに食事の提供はありますが、入居にあたって所得制限はありません。また入居者全員に個室が与えられる点が大きな特徴と言えそうです。

「一般型」は従来型と同様のコンセプトの「一般型」となっており、"身寄りがなく生活に不安がある60歳以上の高齢者"が入居対象です。食事の提供や、洗濯・買い物、掃除などの生活支援のほか、医療機関との提携や緊急時対応が受けられるサービスがメインとなります。基本的に介護サービスは設けていないため、介護が必要な場合は外部の介護サービスを利用することになります。また要介護度が高くなり、生活に支障が出る場合は退去しなくてはいけません。

【「一般型」の費用の目安】

入居一時金など初期費用:0〜30万円程度

月額料金:約6〜十数万円

「一般型」は、独居生活を送っている高齢者向けの施設なので、比較的元気な高齢者が入居します。レクリエーションが豊富なため、施設内が活気にあふれているケースが多いようです。

独居生活に不安や寂しさがあるけれど、体は元気。という方に向いていると言えるでしょう。



「介護型」は要介護でも入居が可能

一方で、「介護型」は「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設となるので、介護サービスを受けることができます。入居条件は「一般型」と異なり、"要介護度1以上で65歳以上の高齢者で独居生活に不安がある方"となります。

生活支援サービスのほか、食事や入浴、トイレなどの日常介助のサービスや通院の付き添いなどもあり、要介護度が高くなっても住み続けられるメリットがあります。施設によっては、看取りも可能です。そのため、数は増えているとは言え、高い人気があり、特別養護老人ホームと同様に入居待ちとなる場合が多くなっています。

また軽度の認知症では対応が可能ですが、重度の認知症や医療依存度が高い場合は、施設によって対応も異なるので確認が必要です。

【「介護型」の費用の目安】

入居一時金など初期費用:数十万円〜1000万円程度

月額料金:約6〜20万円

初期費用は施設によって幅がありますが、月額料金は「一般型」よりやや高め、といったイメージです。

これまでケアハウスのメリットを説明してきましたが、似たようなサービスを展開している施設として、有料老人ホームや「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」などがあります。 ここからはケアハウスと、特に「サ高住」を取り上げて、比較していきます。



ケアハウスとサービス付き高齢者向け住宅の違いは?

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ここ数年、ケアハウス同様、「サ高住」は低価格で入れる施設として人気を集めてきました。もちろん、価格帯が高いサ高住もありますが、施設ごとの特徴が多様で施設数が多い分、自身の経済状況に合わせた施設を選ぶことができます。

具体的には、今はまだ元気だけれど、近い将来夫婦だけで暮らしていけるか不安という人、深刻な要介護ではないものの一人暮らしで誰かの介助がないと生活が難しくなってきている人、子どもの世帯と同居が難しいという人などの多くが入居を検討しています。

ただし、手厚い介護サービスが提供される介護保険施設とは異なり、完全に独立した居室、主軸となるサービスを生活相談と安否確認に定めた業態は、「施設」というよりはマンションのような集合住宅に近いものです。

これはケアハウスも同様ですが、サ高住とケアハウスにはどのような違いがあるのでしょうか? 以下、入居条件や費用、サービスの違いなどをまとめましたので、入居を検討される際はぜひご参考にしてください。

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将来に備えて、自分そして家族に合った施設選びを

高齢弱者救済のために設立された軽費老人ホームも、時代の流れとともに名称そして形態そのものも変化を遂げてきました。 ただし、ニーズの高い介護型ケアハウスの数はまだまだ足りていない状況です。有料老人ホームに比べてはるかにリーズナブルではあるものの、入居条件や初期費用も決して楽にクリアできる問題ではありません。 経済面だけでなく、住環境やサービス内容なども勘案し、上記のサ高住との比較も参考にしながら、最適な住居を探したいものです。

参考文献 『福祉・介護の仕事&資格がわかる本』資格試験研究会編 実務教育出版


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