介護のお役立ちコラム

認知症予防に向けた食材選びと食習慣の見直しについて|認知症のコラム

認知症予防に向けた食材選びと食習慣の見直しについて|認知症のコラム

更新日:2021.07.02

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日々健康に過ごすためには毎日の食事は絶対に無視できないものです。「食べる」という字は"人を良くする"と書きますが、健康状態を考えず、好きなものだけを好きな時間に食べるような生活を続けていれば、体調を崩すばかりでなく認知症を引き起こす可能性だってあるのです。今回は、認知症予防に良いとされる食材の紹介から、効果的に摂取できるポイントなどをまとめてみました。

不摂生は万病のもと。健康なうちから正しい食習慣を身に付けよう

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人間は加齢とともに基礎代謝が確実に落ちていきます。10~20代の若いころに暴飲暴食を繰り返していた人が、40歳を過ぎても同じ食習慣を継続した場合、さまざまな負荷が徐々に表れてくるようになります。まずは、以下の内容を確実に守るようにして未病に努めることが重要です。

13食を決まった時間に食べる

体の各器官を正常に働かせるためには、1日3食をなるべく決まった時間に摂るようにしてください。特に朝食は脳を正常に働かせるために大変重要なものです。これらのリズムが乱れてくると、胃の内容物が正常に消化されず、自律神経が乱れ集中力を欠き、仕事や勉強も集中できなくなります。

栄養バランスの良いメニューを考える

タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルといった栄養素をまんべんなく摂ることです。しかしながら、食材一つ一つの栄養素を把握しておくのは難しいので、なるべく同じメニューを連続して食べないようにするなどして工夫してみましょう。食事は主食、主菜、副菜、汁物といった具合に、一度の食事で複数の食品を摂るようにしましょう。食後に果物などのデザートを加えるのも良いでしょう。

塩分、糖分、脂肪、アルコールの過剰摂取は避ける

塩分の高い食事は高血圧を、脂質の高い食事は動脈硬化を引き起こすリスクが高くなります。同様に飲酒も血管に大きな負担を与えます。血管の障害は脳梗塞や脳出血の原因ともなり、その後の脳血管性認知症につながる可能性も非常に高くなります。また炭水化物のほか、お菓子に含まれる糖分は糖尿病の原因ともなります。特に間食の習慣がある人は、なるべく甘いものを控えるよう努力してみてください。

青魚から赤ワインまで。認知症予防に効果的な食材

pixta_56998144_M.jpg次に認知症予防に効果があるとされる食材を見てみます。規則正しい食習慣を身に付けると同時に、これら食材を日々のメニューの中で上手く取り入れてみてください。

魚の中でも、特に青魚と言われるブリ、イワシ、サバ、アジなどにはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸が多く含まれており、これらは認知機能の向上に良いとされています。また、魚の油は動物性の物とは異なり、温度変化によって凝固することもないため、血液がサラサラになり動脈硬化予防にも効果があります。

野菜

健康のために野菜中心の食生活を心がけている人も多いことかと思いますが、緑黄色野菜に多く含まれるビタミンCとビタミンEは特に認知症予防に効果的と言われています。これらビタミンは血中コレステロール値を下げ、さらにビタミンCとEを同時摂取することで、血管の老化を防ぐ抗酸化作用がさらに高まります。

ビタミンCはイチゴやグレープフルーツといった果物のほか、ジャガイモやレンコンなどの野菜に、ビタミンEはほうれん草、春菊、サツマイモなどに含まれます。このほかにも、カボチャやオクラ、アスパラガスに多く含まれるベータカロテンも認知症予防に効果がある食材として知られています。

豆類

日本人とゆかりの深い大豆製品も認知症予防に効果があります。大豆にはレシチンという神経伝達物質を生成する成分が含まれており、視覚や聴覚といった人間の五感に密接にかかわっています。これらが不足すると脳の認知機能が衰えるようになります。大豆を使用した食品は豆腐、湯葉、おから、納豆、豆乳など豊富にあるため、毎日のメニューに無理なく組み込むことができるでしょう。

オリーブオイル

パスタなどのイタリア料理とともに定着してきたオリーブオイル。オリーブオイルには、不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸が豊富に含まれており、血中コレステロールや中性脂肪を下げる働きがあります。脂質の高いバターの代わりにパンに付けたり、ドレッシングとしてサラダにかけたりして摂取することも可能です。

赤ワイン

赤ワインなどに含まれるポリフェノールには強い抗酸化作用があり、アンチエイジングの代名詞と言える健康食品として注目されています。適度に嗜む程度に、日々の食事の中で摂取する分には良いですが、ワインはあくまでアルコールのため飲み過ぎには要注意です。また、ポリフェノールは赤ワイン以外にも緑茶やチョコレート(カカオ)、アーモンドといった食材にも含まれています。

肉に含まれるタンパク質も老化防止のためには重要

現在の日本は欧米型の食習慣が定着し、ひと昔前に比べて肉を食べる機会も増えてきましたが、肉の過剰摂取は認知症の進行を早める原因となります。飽和脂肪酸を含む肉の脂身は血中コレステロールを増やし、動脈硬化のリスクを大幅に高めるからです。

ただし、頭ごなしに肉を敬遠するのは良くありません。肉にはタンパク質が多量に含まれているため、健康な肉体を維持するには肉の摂取も必要不可欠なのです。そのため、肉を摂取する際は脂身を削るか脂身の少ない赤身を食べるのがよいでしょう。また、どうしても肉を摂取したくない人は大豆や白身魚などで補給することも可能です。

食事の際に意識したいポイント

高齢になると咀嚼(噛む)する力が衰えます。若いときのように固い物が食べにくくなるばかりか、誤嚥性肺炎につながる危険もあります。そのため、食材を包丁で細かく切るきざみ食、ミキサーなどでペースト状にするミキサー食にするなどして対応してください。

ただし、料理の原型を大きく崩してしまうと食欲が無くなるのも事実です。そういったときは、片栗粉などを原料とした"とろみ剤"を料理に混ぜて喉を通りやすくするのも良いでしょう。

今回取り上げた、認知症予防に良いとされる食材を使うことは大事ですが、栄養とは別に、本人の好きな食材を一つメニューに加えることも重要です。「健康のためだから」と本人の好き嫌いを無視して押し付ければ、やがて食欲不振で食事が喉を通らなくなり、ますます体が弱ってしまいます。食べたい料理をリクエストしてもらうなど、コミュニケーションを図りながら献立を考えていくことも、豊かな食生活を送る上で欠かせないことです。

終わりに

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近年、40歳以上の人を対象とした、成人病やメタボリックシンドローム予防の機運が高まってきました。長い目で見ると、肥満や糖尿病などは将来的に重大な病気につながる可能性が高く、結果、体に自由が利かなくなる高齢期に重度の障がいを抱えながら寝たきりや認知症に見舞われることになります。私たちの子どもの世代に爪痕を残さないためにも、まずは一人ひとりが高い危機意識を持って食習慣の改善に取り組みましょう。

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