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「精神障害者保健福祉手帳」の取得方法とメリットについて|認知症のコラム

「精神障害者保健福祉手帳」の取得方法とメリットについて|認知症のコラム

更新日:2020.10.27

家族の高齢化とともに、医療と介護で発生する出費は悩みの種。たとえば家族が認知症になったら介護保険を受けられますが、その介護保険に関しても、法律の改正があってその利用に制限されて高齢者と家族の生活を日々ひっ迫しています。

しかし、場合によっては介護保険以外の福祉制度を利用できます。今回はそのために必要な、認知症の方でも取得できる「精神障害者保健福祉手帳」について解説していきます。

精神障害者保健福祉手帳の歴史

取得の条件や方法をご説明する前に、まずは精神障害者保健福祉手帳の歴史について振り返りたいと思います。日本では、1950年(昭和25)に「精神衛生法」が制定され、精神障害者の医療・保護を目的とした精神保健福祉対策が始まりました。

1987年(昭和62)には、精神障害者の社会復帰施設の法定化などを含めた「精神保健法」に名前が変わり、さらなる障害者福祉の増進を目指す法律として新たなスタートを切りました。

その後、社会復帰施策の充実のため、1995年(平成7)の改正時に「精神障害者保健福祉手帳制度」が創設されることになり、法律名も現在の「精神保健福祉法(正式名称:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)」に変わりました。社会復帰のための施設の整備、社会復帰に向けた訓練事業を充実させるとともに、自立や社会参加が促進されることになったのです。

手帳の交付を受けた人は医療費の公費負担、税制上の優遇措置、生活保護の障害者加算といった支援を受けることができます。取得できる条件に含まれる精神疾患は、統合失調症、てんかん、薬物・アルコールによる急性中毒またはその依存症、自閉症や注意欠陥多動性障害などの発達障害などが該当します。

精神障害のため、長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある人が対象となり、日常生活への制約などの状況に応じて等級は3段階に設定されています。ただし知的障害者は「知的障害者福祉法」に該当するため、この手帳を受け取ることはできません。

精神障害者保健福祉手帳の取得方法

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交付条件

精神障害者保健福祉手帳が交付される条件は、何らかの精神疾患があり、長期にわたって日常生活または社会生活への制約があること。程度によりますが、アルツハイマー型認知症などの場合でも認定されるケースが多いです。

申請に必要な書類

申請に際しては、以下の書類が必要となります。

1. 障害者手帳(精神障害者保険福祉手帳)申請書
2. 診断書
3. 本人の顔写真

申請書は指定の用紙があり、住まいのある市町村の窓口(福祉課)で用紙がもらえます。自筆が難しい場合は、家族や医療機関関係者が代理で申請することも可能です。

2016年1月1日からは「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」が施行され、マイナンバー(個人番号/国民識別番号)の提示が必須となりました。

医師の診断書は初診日から6カ月以上経過していることが条件となります。または障害者年金を受給している場合その写しも代用可能です。

申請後、各自治体の精神保健福祉センターで審査が行われ、認められると手帳が交付されます。なお、年金証書等の写しが添付されていれば、必ず手帳が交付されます。

手帳の有効期間と再更新について

手帳の有効期間は2年間。更新する際は改めて医師の診断書が求められます。

精神障害者保健福祉手帳のメリット

公共機関の利用料金の割引と税金の軽減措置

精神障害者保健福祉手帳の提示で受けられるサービスについてはいろいろとありますが、特に認知症の高齢者が享受できる大きなメリットは、公共機関の利用料金の割引と税金の軽減措置です。全国一律で適用されるものと、自治体や企業によって適用可否が異なるものがあります。

全国一律のものは、公共料金の割引、NHK受信料の減免、一部税金(所得税、住民税、相続税)の控除など。公共料金の支払いや納税は毎月の出費となるため、これらが割引となれば大いに家計の手助けとなることでしょう。

一方で自治体や企業によって適用可否が異なるのは、バス、タクシーなど交通機関での割引、携帯電話料金の割引、映画館や遊戯施設などの入場料(チケット代など)の割引などで注意が必要です。

身分証明書としても使用可能

手帳には顔写真を張り付けることになっており、身分証明書に使えるというメリットもあります。ただし高齢者の方の中には「障害者」という言葉を嫌がる方も多く、受給の条件を満たしていても、あえて取得しないというケースも。可能なかぎり本人の意思を確認した上で取得に踏み切りたいものです。

手帳がなくても税金控除の対象に。「障害者控除対象者認定」

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このようなメリットを享受できる「精神障害者保健福祉手帳」を交付されなかった方でも、各自治体による「障害者控除対象者認定」に認定されることで税制面においてさまざまな優遇措置が取られます。

たとえば所得税の場合は「障害者」に該当する場合で1人27万円、より重度な「特別障害者」に該当する場合で40万円が控除の対象となります。同居している扶養家族がいる場合はこの金額に35万円が加算されます。

地方税にあたる住民税の控除額、申請方法や必要書類も各自治体によって異なるので、まずはお住まいの自治体役所の窓口に相談をしてみましょう。

申請手続きの前は、慎重に検討を

経済的に苦しい認知症の方や家族にとって、このような優遇措置があるのはたいへんありがたいことです。しかしこのような制度を知らない方もまだまだ多くいらっしゃいます。 情報の格差が経済面での格差につながってはなりません。国による情報の周知徹底が望まれるところです。

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