介護のお役立ちコラム

介護に疲れたときに利用したい、「レスパイト・ケア」というサービス|介護のコラム

介護に疲れたときに利用したい、「レスパイト・ケア」というサービス|介護のコラム

更新日:2017.06.26

長年同居する家族の介護に携わっていると、知らず知らずのうちに精神的にも肉体的にも負担を感じるようになります。 身体介助や見守りに時間を割かれ、自分の趣味や娯楽の時間を確保できなかったり、腰痛など体のいたるところに慢性的な痛みを覚えるようになったりすることも。 このような家族の負担を減らすために、「レスパイト・ケア」という考え方が提唱されているのをご存知でしょうか? 今回は"介護される"側だけでなく、"介護する"側へのケアの重要性を考えてみたいと思います。

「レスパイト・ケア」とは、介護の負担を減らせるサービス

「レスパイト(Respite)」とは「小休止」を意味する言葉です。介護にあたる家族が一時的に介護から解放されるよう、代理の機関や公的サービスなどが一時的に高齢者の介護をおこない、家族に休息を取ってもらうようにするための措置をレスパイト・ケアといいます。 受けられる主なサービスは、日中に高齢者の介護をおこなってもらう「デイサービス」と、宿泊型で短期間高齢者のお世話をしてもらう「ショートステイ」の2種類です。 近年、積み重なる介護への負担によって家族に精神的な余裕がなくなって外部との接触を拒んだり引きこもるようになったり、さらにうつ病などの精神疾患に見舞われたりするケースが目立つようになりました。 介護するはずの人がこのようになった場合、その人へのケアも必要となるばかりか、これまで介護を受けていた高齢者の生活もままならなくなり、家族全体の生活の質が一気に落ち、負のスパイラルに陥ってしまいます。 家族介護の難しさが社会問題となりつつある今だからこそ、レスパイト・ケアの需要は高まっているのではないでしょうか。

レスパイト・ケアの代表的なサービス「デイサービス」と「ショートステイ」

ここでは、レスパイト・ケアの代表的なサービス、「デイサービス」と「ショートステイ」について詳しく解説していきます。

デイサービス

利用対象者は要介護認定(1〜5)を受けた方で、介護保険が適用可能。サービスを受ける高齢者は事業者が運営する施設で1日を過ごすことができるため、家族は見送りを終えた後に自分の時間を確保できます。 食事や入浴、ゲームなどのレクリエーションのサービスのほか、事業者によってはリハビリメニューを受けられ、自宅〜事業所間の送迎もきちんとおこなってくれるのが特長です。 デイサービスは民間事業者によって運営されていることが多く、全国の市区町村にまんべんなく点在しています。自宅からの距離や、受けられるサービスの内容を吟味して、担当のケアマネジャーがいる場合はどの事業所がいいか相談してもよいでしょう。 利用する高齢者の要介護度によって介護保険適用内で利用できる日数が決まってしまいますが、デイサービスを利用する日は、思いっきり羽を伸ばしてリフレッシュできます。

ショートステイ

こちらも利用対象者は要介護認定(1〜5)を受けた方で、介護保険が適用可能。 ショートステイは一定期間高齢者を預かり、日常の見守りや食事の提供などをおこなってくれる宿泊型の介護サービスです。たとえば家族で旅行に行きたい場合や、出張や冠婚葬祭で数日間家を空けなければならない場合などに便利です。 特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、ある程度大規模な施設に併設されているケースが多く、利用は1泊2日から、最大30日間連続で滞在することができます。 利用に関しては、ケアマネジャーに申請して受け入れ先を探してもらうことになりますが、比較的人気のサービスということもあり、希望の日程には満床で受け入れてくれないケースも多くあります。特に年末年始やゴールデンウィークの時期は予約が取りにくいようです。 また介護保険適用外で受け入れてくれる事業所もあります。その場合、一般的なホテルに宿泊するのと変わらない金額をすべて自費でまかなうことになりますが、介護保険適用外ということもあり、サービスを受ける人の要介護度に関係なく誰でも利用できるメリットがあります。

サービスを受けづらい場合は、誰かと話すこともケアになる

介護を受ける方の価値観や、病状などの理由でレスパイト・ケアを受けることが難しい場合があります。その際は、知人や家族などに日々の不満や介護の大変さを誰かに話してみましょう。 たとえば、外食に行ったり、買い物をしたりと、些細なことが気分転換につながることがあります。特に女性の場合、知人や近所の人たちとのおしゃべりを通じて、ストレスが解消されることもよくある話です。 話し相手の中には同じように家族の介護をしている人がいるかもしれません。同じ境遇の者同士だからこそ打ち明けられる悩みもあれば、相談できることもあるでしょう。共感できる仲間を持ち、積極的に情報交換することも介護を継続していく上で有効なことです。 日本では、認知症高齢者の方が2025年には700万人を超えると予想され、高齢者介護は避けては通れないものになっていきます。 そのようななか、介護する側が倒れてしまわないよう、無理のない家族介護を実現していくためのレスパイト・ケアはより重要なものになっていくでしょう。 介護は長い期間、継続しておこなうもの。疲れてしまうことだってあります。あらゆる介護サービスを柔軟に利用しながら、時には息抜きをすることの大切さを忘れずに介護を続けていきましょう。

 

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