介護のお役立ちコラム

住宅型有料老人ホームの特徴とメリット、デメリット|老人ホームのコラム

住宅型有料老人ホームの特徴とメリット、デメリット|老人ホームのコラム

更新日:2017.01.30

「2025年問題」と呼ばれる日本の介護、高齢化社会の問題をご存知でしょうか。2025年までに団塊の世代〜ベビーブーム世代が前期高齢者(65〜74歳)に達し、人口の約30%が高齢者になると推定されているのです。

仕事をリタイアし、子どもも独立した世代の方々は、今現在、体に不自由がないとしても「介護」は近い将来必要となるかもしれないと不安もあるでしょう。そんな方々の選択肢として「住宅型有料老人ホーム」があります。自宅のような環境のまま外部の介護サービスを利用できる施設のことです。

今回は、自立時から入居すると費用を抑えることができる「住宅型有料老人ホーム」についてご紹介します。

住宅型有料老人ホームの特徴

住宅型有料老人ホーム

高齢者が生活を送る居住系・施設系の介護サービスである老人ホーム。そのなかでも、比較的入居基準が低く、全国的に多く点在するのが「有料老人ホーム」です。ひとくちに「有料老人ホーム」と言っても、提供されるサービスによって「介護付き」「住宅型」「健康型」の3つのタイプに大別されます。

今回取り上げる「住宅型有料老人ホーム」は、食事や清掃といった日常支援、入居者同士でおこなうレクリエーションが提供されるタイプの有料老人ホームです。これらのサービスは「介護付き」タイプの有料老人ホームでも提供されるものですが、「介護付き」との大きな違いは、施設を所有・運営する事業者が直接介護サービスをしない点です。

介護サービスが必要となった場合は、外部の訪問介護事業者と契約し、ホームヘルパーに居室まで来てもらうことになります。この訪問介護事業者は自分で選択できるため、在宅のころからお世話になっている介護事業者を継続して利用することも可能です。それならば、人見知りが激しい人などでも安心して過ごせるでしょう。

建物内の部屋や設備にも特徴があります。居室は完全個室となっていますが、食堂やほかの入居者とおしゃべりをしたり、テレビを観たりできる共有スペースも設けられています。居室は基本的にワンルームであることが多く、専有面積を「13㎡以上」確保するよう義務付けられています(※1)。なかには夫婦での入居を想定し、施設内にに複数の部屋を用意しているホームもあります。

※1:「厚生労働省令で定める基準」による。

手厚い介護サービスが不要ならば、月々の費用は安く抑えられる

住宅型有料老人ホームの特徴

費用面については、入居一時金と月々の月額費用(居住費+光熱費など)の支払いがあります。入居一時金は、ホームの規模やグレード、事業者のビジネスモデルによって数十万円から数千万円と、その金額に大きな幅があります。最近は入居一時金が0円の有料老人ホームも増えています。

また入居直後、何らかの理由により退去しなくてはいけなくなった場合には、改正老人福祉法に基づき入居から90日以内であれば解約が可能で、実際に生活した日数分の費用を差し引いた入居一時金の返金が認められています(※2)。

※2:厚生労働省で定める方法により算出される額を控除した額相当

月額の費用も12万~30万円と、やはり都道府県や地域、施設によって異なります。「介護付き」の場合は、介護サービス費用もプラスになるため、全体の費用は住宅型の方が安く抑えられます。日常的なことをほとんど自分でできるうえ、少ない頻度で補助的に介護サービスを利用している高齢者にとっては「介護付き」よりも「住宅型」の方が向いていると言えるでしょう。

しかし、将来的に手厚い介護が必要になった場合、介護保険の限度額以上の介護が必要となることもありえます。そうなると、月々の支払いが「介護付き」以上に高くつくことも考えられます。

「住宅型」のメリットとデメリット

それではここまでの内容をもとに、住宅型有料老人ホームのメリットとデメリットについてまとめてみましょう。

【住宅型有料老人ホーム入居の主なメリット】

・入居者同士の交流が活発である

・介護付き有料老人ホームよりも安く入居できる

・外部の介護サービスを利用できる

【住宅型有料老人ホーム入居の主なデメリット】

・重度の要介護や長期入院になった場合、住み続けることができない

・介護サービスを多く利用すると、毎月の費用が高くなる

比較的、自立かそれに近い高齢者が集まるため、レクリエーションなど入居者同士の交流を楽しめる環境にあります。また高額なホームになるほど、カラオケ、大浴場、各種遊戯などのアクティビティ施設も充実していくため、建物から出なくても毎日を楽しく過ごすことができます。

外部の介護サービスを継続できる一方で、手厚い介護が必要になった場合、外部の介護スタッフを頻繁に呼ばなくてはならなくなります。すぐに駆けつけられるともかぎらないため、思わぬ不便を強いられることも想定できます。状態によっては退去を勧められるケースもあるため、同じ条件で住み続けられるという保障はありません。この点は留意しておきましょう。

住宅型に入居している高齢者の家族の声

入居者の声

ホームページやパンフレットに掲載されている写真や案内、事業主からの説明だけではなかなかそのホームの特徴や雰囲気といったものをつかむことは難しいものです。ここで、実際に家族が住宅型有料老人ホームへ入居している方の声をご紹介します。


「父は『自立』ですが、一人暮らしが長く続いていて、健康面、特に食事の面での心配が多いことから住宅型有料老人ホームへの入居を決めました。費用はそれなりにかかりますが、父が安心して暮らせることを考えれば、決して高い金額とは思いません。人気があるのか申し込んだときには部屋が空いておらず入居待ちとなりました。幸いすぐに空きが出て入居できたのですが、あまりにも待たされるようでしたら、ひとつのホームに固執せず、似たような条件のほかのホームを探した方がよいのかもしれません」(入居者:85歳 男性 自立)


費用が多少高額なホームであっても、高齢者が多く住む地域や立地条件、サービスの充実度などによって入居希望者が集中することもあるようです。また、予想外の費用が発生することも起こり得るため、料金体系については、入居前に事業者からきちんと説明を受けておきましょう。

遠い将来まで見据えた有料老人ホーム選びが重要

住宅型有料老人ホームのメリット・デメリットを振り返ると、メリットとしては、外部の介護事業者を選択できることや、自立のときから将来を見据えて入居できることが挙げられます。

一方でデメリットとしては、24時間体制で介護を受けるのは難しく、また、要介護度が高い場合は費用が高額になってしまう場合などがあります。

重度の要介護状態になったときでも住み続けられるのか、経済的負担が大きくのしかかってくるのではないか......。目先だけでなく10年、20年先を見据えた住宅型有料老人ホーム選びを、入居する本人とそれを支える家族との間でしっかりと吟味することが重要です。

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