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高齢者に起こりやすい低栄養ってなに?その症状と予防方法

高齢者に起こりやすい低栄養ってなに?その症状と予防方法

2017.07.19

ご飯を残す、そもそも食事をしたがらないなど、介護を受けるご家族の食欲が減ってしまうと心配になってしまうものです。 食欲の低下で満足に食事がとれなくなることが続くと、健康維持のために必要な栄養が足りなくなり、病気や体調不良を引き起こしてしまいます。 慢性的に体の栄養が足りなくなった状態は「低栄養」と呼ばれ、75歳以上の後期高齢者は低栄養になってしまうことが多いそうです。ご家族にはできるだけ元気に、健康に過ごしてもらいたいもの。今回は、この「低栄養」の症状や改善方法について説明します。

低栄養の原因とその症状

低栄養とは、「食事の量が減ることで、体を動かすために必要なエネルギーやタンパク質、健康維持に必要なビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足した状態」を指します。 低栄養の原因にはさまざまなものがあります。たとえば高齢者の場合は「胃や腸などの消化機能の低下」「噛む力の衰え」「食べることへの興味の薄れ」など。また、高齢者でなくても怪我や病気により満足に食事できない状態が続くと、若い人でも低栄養に陥ってしまうことがあるのです。 低栄養になってしまうと、どのような症状が現れるのでしょうか? 代表的な症状を以下にご紹介します。

▼さまざまな症状につながる「体重の減少」

低栄養の症状の中で、目に見えてわかりやすいものが体重の減少です。私たちの体は栄養が摂れない状態が続くと、自身の体の筋肉や脂肪を分解してエネルギーに変えようとします。これが体重が減る原因です。体重の減少は、後述する「皮膚の炎症」や「転倒リスクの増加」などの症状につながります。

▼皮膚の炎症と床ずれ

体重が減少すると、皮と骨の間でクッションの役割をしている筋肉や脂肪の量が減ってしまいます。その結果、寝ている間や座っているときに骨が皮膚を圧迫してしまい、皮膚の炎症が起きやすくなるのです。皮膚の炎症が悪化すると、寝たきりの方に起こりやすい「床ずれ」の原因にもなってしまうこともあります。

▼骨折が起こりやすくなる

低栄養は、体に必要なさまざまな栄養素が不足している状態です。低栄養状態になっている方は、骨の原料になるカルシウムも十分に摂れていないことが多く、骨がもろくなって骨折する危険性が高まります。

▼運動能力の低下

低栄養により体の筋肉が減ると、立つこと・歩くことなどの運動能力が低下します。運動能力が低下することで起こることは、「寝たきりになりやすくなる」「転倒のリスクが高まる」など。特に転倒は捻挫や打撲の原因になってしまうほか、骨が折れてしまうこともあるので注意したい症状です。

▼免疫力が落ちる

果物などに含まれ免疫効果を高める「ビタミンC」や、緑黄色野菜などに含まれ粘膜を保護する「ビタミンA」などの摂取量が減ると、免疫力が落ちます。結果、風邪や肺炎などにかかる危険性が高まってしまうのです。

▼低血糖による意識障害

主食である米、うどん、パンなどの炭水化物摂取量が減ると、体内の血糖値が下がる「低血糖」を引き起こします。低血糖の症状は、集中力や記憶力の低下、吐き気、めまいなど。特に糖尿病治療をしている人は、血糖値を下げるインスリンを摂取していることが多いため、体調に十分気をくばる必要があるでしょう。 低栄養を防ぐにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか? 次に、低栄養の予防方法をお伝えします。

低栄養の予防はさまざまな品目をバランス良く!

もしご家族と同居されている方であれば、体調や顔色の変化にも気づきやすく、食事の管理がしやすいものです。しかし、高齢者だけで住まれている世帯や、独居高齢者の場合は、変化がわかりづらく、低栄養にならないよう特に注意しなくてはなりません。 低栄養を防ぐためには、さまざまな食品をバランス良く食べさせてあげることが大切です。具体的には、肉や魚、野菜、穀物などを少量ずつ食べやすく調理してあげましょう。 食べ残しが目立つようでしたら、ご本人と相談して ・食事の時間をずらす ・味つけを変えてみる ・食べやすいよう食材を細かく刻んだり、すりつぶしたりした「介護食」を作る などの工夫も有効です。 家族が定期的に来訪できる環境ならば、数日分の食事を作り冷凍庫で保管したり、缶詰や冷凍食品など保存がきく食品を買いおいておくなど、食事がしやすい環境を整えてあげましょう。介護サービスを利用されている場合は、ケアマネジャーやヘルパーに体調のことを伝え、食事の内容を再考してもらうようにしてください。

もしも低栄養になってしまったら

もしも低栄養の症状が併発し、回復に時間がかかっているようであれば、早めに病院で検査を受けたほうがよいでしょう。低栄養と診断されるポイントは以下の2点です。 1.数週間〜半月などの短期間で体重が急激に減少している 2.BMI(体格指数)が18.5未満 医療機関で診察した結果、低栄養と診断された場合、すぐに食生活を見直す必要があります。医師の指導を守り、「食事の頻度」「時間」「分量」「栄養のバランス」に十分注意して食事を作りましょう。 食事のメニューは穀物をはじめ、乳製品や卵など高たんぱくで高カロリーのものを中心に、一度にさまざまな栄養が摂れるよう、おかゆに「おかか」や「ちりめんじゃこ」を加える、お味噌汁には細かく刻んだ「豆腐」や「野菜」を入れるなど、さまざまな具材を細かく刻んで加えてください。 低栄養状態になっている方のなかには、一度に多くの量が食べられない方もいらっしゃると思います。そのような場合は1日3食にこだわらず、一回の食事の量を減らし、そのぶん食事の回数を多くすることも有効です。 ご家族がごく少量しか食事を食べられないときには、たんぱく質が含まれたプロテインパウダーや、ビタミン剤などを料理に加えてもよいでしょう。カロリーや各種栄養素が含まれた「栄養補給ゼリー」も食べやすく使いやすい食品です。

一家団欒、楽しい食事の時間も低栄養の対策になる

低栄養は、急激に体調が悪化するような状態ではありません。しかし、栄養が満足にとれない状態が続くと、徐々に体に悪影響を及ぼすようになります。 ご家族としてできることは、ご本人の食べやすい時間に、お肉や魚、野菜などさまざまな食材を使ったメニューを作り、食べてもらえるように工夫することです。 また、食事の時間を楽しめるように工夫することも低栄養への対策になります。できるかぎり家族団らんで食事する機会を増やしてあげることで、食欲のないご家族も食事する楽しみ、そして食べることの重要さを思い出してくれるのではないでしょうか。

 

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