介護のお役立ちコラム

高齢者向け住宅に入る前に知っておきたい、経験者に聞く「用意してよかったもの・いらなかったもの」|老人ホームのコラム

高齢者向け住宅に入る前に知っておきたい、経験者に聞く「用意してよかったもの・いらなかったもの」|老人ホームのコラム

更新日:2017.10.18

ご自宅での介護が難しくなると頼りになるのが老人ホーム。24時間体制で入居者のお世話をしてくれるので、高齢者を任せるご家族も、入居者も安心して暮らせます。
入居者やそのご家族を手厚くサポートしてくれる老人ホームですが、入居する際に注意したいのが持参する生活用具。入居者の生活に必要な衣服や洗面用具のほかに、何を用意すればよいのでしょうか?
今回はご家族が老人ホームに入居したことがある方に、入居時に持参するものについてお話を伺いしました。

必ず用意したい基本的な持ち物



老人ホームに暮らすためには何が必要なのでしょうか? 多くの老人ホームでは、タンス、ベッド、テレビ台、椅子など基本的な家具は揃っていいます。しかし、生活に必要になる衣服や洗面用具などは持参しなければいけません。
まずは入居する際に必ず用意したい持ち物についてご紹介しましょう。

衣服やタオルなど

老人ホームには業者が洗濯を代行してくれるサービスがあります。そのため、衣服やタオルは最低限1週間分を用意しておけば問題ないでしょう。
※入居者が認知症や高齢の場合は、粗相をしたり食事をこぼしてしまったりすることがあります。収納スペースを考慮しながら、衣服は少し多めに持っていくと便利です。
そのほか、冬場は防寒具が必要なので、上着やストール、ひざ掛けを用意しましょう。ハンガーは施設に置いてある場合が多いようですが、衣服ケースやタンスは付いていないことがあるので、衣服の量に合わせて持参すると便利です。
【必要なものの例】(枚数・個数は目安です)
・下着:上下7枚
・靴下:7組
・パジャマ上下:5組
・ズボン:7本
・カーディガンなどの羽織るもの:3枚
・外出用の服:1〜2枚
・ストール:1枚
・バスタオルとフェイスタオル:各7枚(汚れることが多いので、多めでもよい)
・館内用のスリッパや内履き:1組
・タオルケット:1枚
・衣類ケース:服の量に合わせて
・洗濯もの入れ:1個

洗面道具や身だしなみの道具

歯ブラシやひげ剃り、耳かきなどは老人ホームには用意してありません。入居者が普段使っているものを持参し、入居後は必要に応じて買い足してあげましょう。
【必要なものの例】(枚数・個数は目安です)
・洗面用具(歯ブラシ、歯磨き粉、コップ、ひげ剃りなど):各1〜2個
・耳かき:1個
・つめ切り:1個
・入浴時に必要なもの(シャンプー、リンスと石鹸など):各1個
・くしや鏡:各1個

食事に関わるもの



老人ホームでは食事を提供してくれますが、その際に使う茶碗やお箸、フォークなどが使いにくい場合などは、入居者が使い慣れたものを持ち込みましょう。
【必要なものの例】(枚数・個数は目安です)
・箸やスプーン、フォークなど:1組(落とした場合を考え、多くてもよい)
・お茶碗とお椀:各1個(割れにくいプラスティック製がおすすめ)

そのほか

常備薬や置き時計、筆記用具、クッションなども用意しておくと便利です。細々としたものはポーチにまとめて入れておくと保管しやすく、取り出しやすくなります。
【必要なものの例】
・常備薬とお薬手帳
・クッション
・置き時計
・筆記用具
・カレンダー
・介護保険証

そのほか、目が悪い方や入れ歯をしている方など、入居するご家族にとって必要なものは必ず持参しましょう。
・老眼鏡
・杖
・入れ歯入れ
・ティッシュペーパー
・本や雑誌
・化粧水など

用意するものの目安として、「1週間分の旅行」に持っていくものを想像するとわかりやすいと思います。足りないものは後日持参すればよいので、ひとまずは必要最低限のものを持って行きましょう

食器はプラスティック製が賢い選択、経験者に聞く「用意するとよいもの」



ここからは、ご家族が老人ホームに入居したことがある方に聞いた「あると便利なもの」をご紹介します。入居者が不便を感じることなく暮らせるよう、参考にしてみましょう。

衣服など

・外出用の服
服は室内で着るだけだろうと考え部屋着やパジャマのみを用意しましたが、実際には散歩など外に出る機会も多いため、少しおしゃれな洋服も必要です。持参するなら、着替えやすい前空きの洋服が好ましいと思います。
(広島県/特別養護老人ホーム /入居者:87歳女性)

食事に必要なもの

・プラスティックの食器
高齢者は握力が弱まるので、よく食器を落としてしまいます。プラスティックならば割れないので安心です。スプーンやフォーク、お箸も予備を用意しておくと落としたときにすぐに取り替えられて便利だと思います。 (熊本県/特別養護老人ホーム/入居者:88歳男性)

・ストロー付きのコップ
おばあちゃんは入居後に、ものを飲み込む力が弱くなり、太めのストローが付いた蓋付きのコップを購入しました。蓋付きだとこぼす心配もなく安心です。
(東京都/特別養護老人ホーム/入居者:92歳女性)

・前掛け
タオル生地の前掛けがあると便利です。祖父は少々認知症になっており、食事の時間になると夢中で食べて食い散らかしてしまいます。また、口に物を運ぶ際に口がよく閉まらないのか、よくこぼしてズボンや上着を汚してしまいました。これらの汚れを防ぐために前掛けが有効です。
(福島県/介護付き有料老人ホーム /入居者:80歳男性

そのほか、あると便利なもの



・パズルや写真集など暇をつぶせるもの
テレビや本を持参しましたが、目が疲れるようで徐々に見ることが少なくなるように。そのため、パズルなど暇をつぶせる何かが必要でした。写真集は目が疲れないようで、持っていくと喜ばれます。
(東京都/介護付き有料老人ホーム/入居者:89歳女性)

・家族や親族の電話番号を記した手帳
母の入所した老人ホームは携帯電話禁止でしたので、誰かに電話かけようとする時に番号の控えがないと不便だと聞きました。
(千葉県/介護付き有料老人ホーム/入居者:82歳女性)

・クッションと足枕
クッションや足枕は、床ずれ防止などいろいろな役割で使えるので重宝しました。抱き枕は大きすぎるのか、ベッドから落としてしまうことがあるので、あまり大きいものは控えたほうがよさそうです。
(埼玉県/特別養護老人ホーム/入居者:80歳女性)

このほかに、自由時間を楽しむための手芸道具や部屋を彩るための写真などを挙げる方もいました。施設によってすでに用意してあるものもあるので、持参しようと考えているもののリストをつくり、入居する施設のスタッフにアドバイスをもらえば効率よく準備が進められるでしょう。

テレビやラジオは不要?「用意したけどいらなかったもの」



次にご紹介するのは、用意したけれどいらなかったもの。はじめての入居の際はあれもこれもと、必要以上のものを持って行ってしまいがちです。 不要なものを購入することがないように、経験者の意見を聞いてみましょう。

家電や電子機器

・小型テレビやラジオ 耳が遠い方は音が聞きとれませんし、大勢の中で暮らすので音が出るものは同居する方に嫌がられます。母はだんだんと耳が遠くなり、寝ている時間が多くなったので最終的には使わなくなりました。
(千葉県/介護付き有料老人ホーム/入居者:82歳女性)

・携帯電話
緊急用に、と持たせておきましたが、本人は充電の仕方を忘れているので電源が入らない状態でした。何かあったときの連絡は、老人ホームの担当者から電話で連絡が来るので、携帯電話は必要ないと思います。
(福島県/介護付き有料老人ホーム/入居者:80歳男性)

衣服

・大量のおしゃれ着や上着
持たせた上着(カーディガンなど)はちょっと多め(4枚)で使っていない物もありました。お散歩や外出時に必要なものですが、頻繁には使わないので上着は夏用、冬用が1枚ずつあげれば十分だと思います。
(大阪府/特別養護老人ホーム/入居者:79歳男性)

・ボタン付きの衣服
高齢者は食事をこぼしたり粗相をしたりして服を汚してしまいがち。洗濯は業者さんがおこなってくれますが、小さいボタンの多い衣類やウールのカーディガンなど、クリーニングしづらい洋服は避けたほうが無難です。本人はおしゃれがしたくて持参にこだわりましたが、あきらめてもらうべきでした。
(東京都/特別養護老人ホーム/入居者:86歳女性)

娯楽にかかわるもの

・単行本や小説
父は小説などが好きだったので暇な時間に本を読んで過ごせればと思い、何十冊も本を持ち込みました。しかし、徐々に小さい活字を読む根気がなくなり、不要になりました。
(北海道/介護付き有料老人ホーム/入居者:86歳男性)

・家具
タンスや机などの家具類は、退去時に処分が大変なので最小限にしたほうがいいと言われ、母が愛用していた座椅子だけ持ち込みました。
(東京都/特別養護老人ホーム/入居者:86歳女性)

入居時に、あれもこれもと購入してしまうと費用もかさみ、持ち帰る手間が増えてしまいます。おしゃれ着や化粧品、趣味の道具など、ご本人がどうしても欲しいというものはご家族の負担を考えてあきらめてもらうことも、ときには必要かもしれません。

老人ホームに持参するものは、入居する高齢者の生活を支えるものです。高齢者が新しい環境で不便を感じることなく暮らせるように、ご家族の負担にもならないように用意したいものですね

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