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医療費や薬代を軽減できる「自立支援医療制度」について解説

医療費や薬代を軽減できる「自立支援医療制度」について解説

公開日:2019.11.27

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根本的な治癒が難しいとされる精神疾患。これら病気と向き合うためには長い闘病生活を覚悟しなくてはなりませんが、当然、毎月支払う診療費や薬代も家計の負担を圧迫します。今回は、このような経済的負担を減らすための「自立支援医療制度」について触れてみます。

自立支援医療制度ができた背景

自立支援医療制度とは、心身の障がいに関する医療への「医療費の自己負担額」を軽減する公費負担医療制度です。身体に負った障がいやメンタルケアには多大な時間が掛かり、治癒よりも緩和を目的としていることもあるため、粘り強く病気と付き合っていくことが求められます。この制度によって経済的な負担が減るため、患者や家族はケアに集中できるメリットがあります。

自立支援医療は、精神通院医療と更生医療(18歳以上)・育成医療(18歳未満)に大別できます。前者は精神保健福祉法に定められた精神疾患などの患者を対象としており、後者は身体障害者福祉法に定められた肢体不自由、視覚障がい、内部障がいの患者が対象となります。

自立支援医療では、患者は原則1割負担

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経済的負担の軽減について、自立支援医療制度では、75歳以上の高齢者が保有している「後期高齢者医療保険」と同じ1割負担となります。適用が認められるのは医療機関と薬局のほか、デイケア、訪問看護も含まれます。また、一般的な医療保険と同じく高所得者(住民税の納税額が23万5,000円以上)の場合は3割負担です。

同時に自己負担額の上限も定められています。納税額が23万5,000円に満たない、いわゆる中間所得者の場合、医療保険の「高額療養費」の限度額が上限となります(ただし18歳未満の「育成医療」は除く)。住民税非課税の低所得者の場合、患者本人の所得が80万1円以上で5,000円/月、80万円以下で2,500円/月です。自己負担が3割の高所得者は上限がなく、生活保護受給者は費用負担が一切生じません。

患者が高次脳機能障害、薬物やアルコール依存症、統合失調症、うつ病に双極性障害、てんかんといった比較的重度の疾患の場合、「重度かつ継続」という区分が適用され、上記で挙げた上限金額よりもさらに手厚い保障が受けられます。「認知症」で申請が認められた場合もこちらの区分になります。

「重度かつ継続」で認可された場合、中間所得者の上限額は1万円/月または5,000円/月(納税額によって異なる)になります。また、一般の区分では対象外だった高所得者の場合でも、上限額は2万円/月に設定されています。ただし一部の上限金額については、経過的特例のため2021年4月以降、見直される可能性があります。



所得区分 世帯所得 月額負担上限 「重度かつ継続」の場合の上限
生活保護 生活保護世帯 0円 0円
低所得1 市町村民税非課税であり、本人の所得が80万円以下 2,500円 2,500円
低所得2 市町村民税非課税であり、本人の所得が80万1円以上 5,000円 5,000円
中間所得1 市町村民税の納税額が3万3,000円未満 「高額医療費制度」の限度額が上限 5,000円
中間所得2 市町村民税の納税額が3万3,000円~23万5,000円未満 「高額医療費制度」の限度額が上限 10,000円
一定所得以上 市町村民税の納税額が23万5,000円以上 対象外 20,000円

厚生労働省のホームページ資料をもとに作成

自立支援医療の申込み方法と取得後の注意点

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自立支援医療を申し込む場合、住まいのある市区町村の福祉課の窓口で手続きします。また医療行為を受ける場合、病院や薬局が「指定医療機関」に定められたところでなくてはなりません。現在通院している病院や薬局が指定されているか事前に調べておく必要があります。

続いて、申請に必要な書類は以下のとおりです。

・自立支援医療費(精神通院)支給認定申請書
・医療機関発行の診断書
・健康保険証
・世帯所得が確認できる書類
・個人番号(マイナンバー)

申請書は役所の窓口に用紙があるので、必要事項をその場で記入して最後に捺印します。診断書は申請日から3か月以内に作成されたものを用意してください。健康保険証はコピーで受け付けてくれる場合もありますが、原本を持参するとより確実です。

自立支援医療の受給者証の発行は時間が掛かります。そのため、手元に受給者証が届く前に診察や看護サービスを利用したい場合は、一旦その場で通常の負担額(3割)を支払い、後日自宅に届いた「受給者証」と「自己負担上限額管理票」、受診時の領収書を役所の窓口に提出して払い戻し手続きをする必要があります。

受給者証の有効期間は1年間で、失効する3か月前より継続申請ができます。失効後に受診した場合、受給者証再発行のため医師の診断書など書類一式を揃えなくてはならないため、手間が掛かります。毎年更新時期を忘れずに覚えておくようにしましょう。

認知症と自立支援医療制度

自立支援医療では、診療時の1割負担のほか1か月に支払う上限額が設定されていることがわかりました。

上記でも触れたとおり、認知症と診断された場合も市区町村へ申請することで自立支援医療の受給資格が認められる可能性があります。しかし、認知症は高齢になって発症するケースがほとんどで、後期高齢者医療制度によって75歳以上で医療機関を受診した場合の負担額も同じ1割(または2割)です。そのため「認知症」を理由に自立支援医療を申請することは、あまり現実的ではないかもしれません。

若年性認知症と診断された場合や、若いころに統合失調症やアルコール依存症などの既往歴があり、その後認知症に見舞われた高齢者の場合は、一旦医師の診断を受け、その上で自立支援医療を選択すべきなのか検討した方が良いでしょう。

まずは自治体の担当者やケアマネジャーなどに相談を

今回ご紹介した自立支援医療制度のように、日本ではいくつかの手厚い社会保障が用意されています。しかし、福祉六法上の棲み分けもあるため、一般的な精神障がい者のための社会保障と、老人福祉法による高齢者のための社会保障を同時に受けるには大きな制約があります。そのため自治体の担当者やケアマネジャーなどと相談した上で、公正かつ患者にとって望ましい社会保障を受けられるように努めてみてください。

■参考文献
自立支援医療制度の概要_厚生労働省
自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み_厚生労働省
自立支援医療(精神通院医療)について_東京都福祉保健局
自立支援医療(精神通院医療)ってどんな制度?自己負担額や具体的な申請方法、更新についてまとめて解説します_ LITALICO仕事ナビ

 
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