介護のお役立ちコラム

最前線で働く職員のための「介護職員慰労金」支給について|介護のコラム

最前線で働く職員のための「介護職員慰労金」支給について|介護のコラム

更新日:2020.09.02

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新型コロナウイルスの感染拡大により生じた経済的損失を補うため、政府や各地方自治体によってさまざまな救援措置が取られていますが、大切な社会インフラである介護事業も例外ではありません。今回は新型コロナウイルスの脅威に立ち向かい、介護現場の最前線で働く人たちのための「介護職員慰労金」について、支給の条件や方法などを紹介します。

新型コロナ感染を防ぐための支援・支給が決定

依然、猛威をふるう新型コロナウイルス。医療の現場はもちろん、感染リスクの高い高齢者と日ごろ接する介護職も、人一倍感染予防には気を付けなくてはならない職業の一つです。

ひとたび感染すれば、特に高齢者は重篤化しやすいこと。すでにいくつもの事業所でクラスター(集団感染)が発生していること。そして、欠かせない社会インフラとして厳しい状況下でも事業を継続していかなければならないことなどから、令和2年度第2次補正予算において、感染防止対策と事業継続(再開)に対しての支援、そして慰労金の支給が決定しました。

介護の現場で働くすべての人が支給対象に

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気になる支給対象ですが、介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、養護老人ホーム、軽費老人ホームなどが該当します。厚生労働省の発表概要によると、通所型や訪問型のサービスも含まれているため、介護保険による介護サービスを提供する全事業者が対象ということになります。

対象者については、利用者や居住者と直に接する機会のあった職員(介護福祉士、ホームヘルパーなど)。並びに対象期間内(※)に10日以上勤務した職員が対象になります。窓口業務をおこなう事務員もこの範囲に含まれますが、大手事業者の本社勤務のスタッフなど、事業所内で働いていない人は除外となります。また、雇用形態については不問で、正社員以外のアルバイト、パート、派遣社員も適用範囲となります。

このほか、感染症対策への支援や、一度感染者が出た事業所に対する事業継続(再開)に対する支援も講じられています。具体的には、予防のための用具や機器(マスク、消毒液、体温計、飛沫防止のためのアクリル板など)の購入費用や、建物、居室の消毒費用などです。ほかにも、物品などを安全な場所へ一時保管する多機能型簡易居室の設置や、急な人員配置で生じた人件費、移動に必要な自動車や自転車などの購入費用も含まれます。

※対象期間:各都道府県での新型コロナウイルス感染症患者1例目発生日または患者受け入れ日のいずれか早い日から6月30日までの間。岩手県は4月16日~6月30日までの間。

利用者または居住者に感染者が出た場合は20万円支給

支給される金額は以下のとおりです。

新型コロナウイルス感染者または濃厚接触者が発生した事業所

通所系・施設系で感染者・濃厚接触者発生日以降に勤務をおこなった場合...20万円
訪問系で感染者・濃厚接触者に実際サービスを提供した場合...20万円
上記以外...5万円

新型コロナウイルス感染者または濃厚接触者が発生していない事業所

5万円

金額については色々と意見があることかと思いますが、自らも感染する多大なリスクを背負う現場の介護職員にとって、大きな励みとなることでしょう。

介護職員慰労金の申請方法

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介護職員慰労金に関する窓口は事業所のある各都道府県になります。各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)が用意するシステムからのオンライン申請が原則となります。所定の用紙をダウンロードして、記入した用紙を郵送する方法もあるようですが、自治体によって方法が異なる可能性があるため、詳しくは各都道府県の窓口に問い合わせるようにしてください。

提出された書類を精査したのち、無事に受理されれば国保連を通じて慰労金が支払われます。厚生労働省は2020年8月下旬から順次支払いを始めると発表していますが、数多くの事業者が申請すると予想されるため、場合によっては支給に多大な時間を要する可能性もあります。個人でのむやみな問い合わせや催促は窓口を混乱させるだけなので慎むようにしましょう。場合によっては事業者単位で問い合わせるか、同業他社やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを頼りに情報をつかむようにしてみてください。

もう一つの注意点として、介護職員慰労金は非課税です。現場で働く人たちは丸々20万円(または5万円)もらえるメリットがありますが、財務担当者は職員の給与やボーナスと一緒に振り込む際に源泉徴収しないよう注意が必要です。

最後に

現金の支給は介護職員たちにとって喜ばしいところですが、新型コロナウイルスに感染する危険性は簡単には改善しません。私たち日本人は、このような危険と向き合いながら、医療や介護の現場で働く人たちへの敬意と感謝の気持ちを忘れてはなりません。

 

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