介護のお役立ちコラム

困難を知らせるヘルプマーク。有事の際に救いの手を差し伸べよう|介護のコラム

困難を知らせるヘルプマーク。有事の際に救いの手を差し伸べよう|介護のコラム

更新日:2020.02.05

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何らかの手助けや介助を必要としていることを伝える「ヘルプマーク」。CMやポスターなどで目にしたことがあるという方も多いかもしれません。今回は、全国に広がりつつあるヘルプマークについて紹介します。

ヘルプマークの対象者は?

ヘルプマークは、障がいや疾患のある人が支援や介助を必要としていることを外部に示し、サポートを受けやすくするために所有する札です。2012年に東京都福祉保健局が考案し、その後全国へと普及していきました。ストラップが付いているのでカバンに取り付けることができます。

ヘルプマークを受け取るために必要な条件は特にありません。日常的に支援や介助を必要と感じた人はいつでも受け取ることは可能です。ただし、全国の自治体によっては交付のための申請書が必要になる場合もあります。

ヘルプマークの入手方法

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ヘルプマークの入手方法ですが、東京都の場合は都営地下鉄の各駅と都営バスの各営業所(ただし一部の拠点を除く)。東京都心身障害者福祉センター、都立病院、公益財団法人東京都保健医療公社の病院などで配布しています。原則手渡しになりますが、各所まで出向くことが困難な場合、代理人による受け取りや郵送での配布にも対応しています。1人につき配布されるヘルプマークは1つで、それ以上は受け取ることができません。

最近はインターネットオークションなどでヘルプマークが出回っているケースが見受けられますが、ヘルプマークの授与はすべて無償です。不正して入手した人が転売目的で出品している可能性も考えられるため、絶対に手を出さないようにしてください。

ヘルプマークとヘルプカード

東京都からスタートしたヘルプマークの取り組みですが、現在、東京都を含む全国41都道府県で導入されるまでに発展してきました(2019年10月1日時点)。福井、岡山、福岡、大分、熊本、鹿児島の6県について、ヘルプマークは未導入ですが「ヘルプカード」の配布は実施済みです。

ヘルプカードは、ヘルプマーク同様助けを必要としている人が携帯するカードで、名前や緊急連絡先などの個人情報や疾患、体の不自由な個所などが明記されており、このカードの内容を基に保護者や家族と連絡が取れるようになっています。

ヘルプカードは、有事の際に周囲の人が困っている人の情報を把握するための物ですが、ヘルプマークは日常的に助けを必要としていることをアピールするためのツールと考えていいかもしれません。それでも、近年ヘルプカードは東京都のヘルプマークと同じデザインが取り入れられるようになるなど、果たす役割も極めて近しいものになっています。

ヘルプマーク所持者に周囲ができるサポート

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車いす使用者(下肢不全まひ)や白杖所持者(視覚障害)など目に見えてわかる障がいばかりでなく、義足や人工関節の人、体は健康でも精神疾患を抱えている人、妊娠初期の人など、世の中には私たちが普段気付かない、多くの人が街中で助けを求めています。ヘルプマークを所持している人を見かけた場合、以下の支援を心がけてください。

電車の中で見かけた場合

席を譲るようにしてください。空いている席がある場合は、そちらへ誘導するようにしてあげてください。

交通機関に遅れが出ている場合

電車の遅延や運行状況を教えてあげてください。特にターミナル駅など大人数でごった返す場所にいた場合、それだけでパニックに陥ってしまう人もいます。「大丈夫ですか?」と一声かけて人混みを避ける場所へ誘導してあげるだけでも大きなサポートになるはずです。

災害時

急を要す避難指示が出た場合、視覚や聴覚などに障がいを抱える人にとって、周囲の情報を正確につかむことは難しいものです。災害時にヘルプマーク所持者を見かけた場合、まずはどのような助けが必要か本人に確認したうえで、できる限りのサポートをしてあげてください。

最後に

各方面の普及啓発によって、ヘルプマークは着実に浸透してきています。しかし、年々深刻さを増してきている災害の頻度や、都心部における大事故の発生率の高さを考えると、その機能はまだまだ十分とは言えません。

日本人の国民性ゆえ、知らない人に話しかけることをためらう方も多いかもしれませんが、勇気を振り絞って声をかけてみてください。きっとその勇気は、誰かの助けとなるはずです。

 

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