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【2025年最新】住宅型有料老人ホームの費用相場|内訳や支払い方法など徹底解説

【2025年最新】住宅型有料老人ホームの費用相場|内訳や支払い方法など徹底解説

更新日:2025.02.26
住宅型有料老人ホームの費用相場|内訳や支払い方法など徹底解説

「父親の介護で仕事との両立が難しく、有料老人ホームへの入居を考えている」「費用が高額なのではないかと心配だ」といった声をよく耳にします。

この記事では、住宅型有料老人ホームにかかる費用の仕組みをはじめ、入居費用を抑えるための方法や、利用できる支援制度について説明します。介護と経済的な負担でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。



住宅型有料老人ホームの費用の仕組み

住宅型有料老人ホームの費用は、「入居一時金」「月額利用料」の2つで構成されています。

入居一時金とは、入居時に一括で支払う費用です。想定居住期間に相当する家賃の全額、または一部を前払いする形をとります。月額利用料とは、毎月支払う費用で、居室の家賃、管理費、食費などが含まれます。

住宅型有料老人ホームでは、基本的に介護サービスを提供していません。介護が必要になった場合、自宅で暮らす場合と同様に、外部の介護サービス事業者と契約を結ぶため、別途介護サービス費用がかかります。

住宅型有料老人ホームの費用相場

住宅型有料老人ホームの費用相場は、以下の通りです。

費用項目 平均額 中央値
入居一時金 125万円 18.2万円
月額利用料 16.7万円 14.1万円
※さがしっくす施設料金データより算出

それぞれの費用について、より詳しく見ていきましょう。

入居一時金の費用相場

入居一時金の費用相場
平均値 125万円
中央値 18.2万円
※さがしっくす施設料金データより算出

住宅型有料老人ホームの入居一時金は、施設によって大きく金額が異なります。全国の住宅型施設における入居一時金の平均額は125万円、中央値は18.2万円です。この差は、高級タイプの施設の高額な入居一時金が平均値を上げているためです。

入居一時金は入居期間に応じて毎月均等に償却される仕組みをとり、償却されなかった分は退去時に返金されます。たとえば、入居一時金が60万円で、2年(24か月)の償却期間が設定されている場合、1か月あたり2.5万円ずつ償却されます。6か月で退去する場合、償却額は15万円(2.5万円×6か月)となり、残りの45万円が返金される計算です。

また、入居後90日以内に退去する場合は、クーリングオフ制度により全額が返還される制度が設けられています。

月額利用料の費用相場

月額利用料の費用相場
平均値 16.7万円
中央値 14.1万円
※さがしっくす施設料金データより算出

有料老人ホームの月額利用料には、入居者の生活に必要な食費や居室の賃料、水道光熱費などにかかる費用が含まれます。全国の有料老人ホームの月額利用料は、平均16.7万円、中央値14.1万円です。

平均値と中央値に2.6万円の差が生じている理由は、入居一時金と同様に、一部の高級タイプの施設で月額利用料が高額に設定されているためです。高級施設では充実したサービスや設備を整えており、月額利用料が20万円を超えるケースも少なくありません。このような高額な施設の存在が全体の平均値を上げています。

そのため、有料老人ホームの月額利用料の実態を把握するには、平均値だけでなく、中央値も参考にすることが大切です。中央値の14.1万円が、一般的な有料老人ホームの月額利用料の目安となります。



住宅型有料老人ホームの月額費用の内訳

住宅型有料老人ホームの費用は、入居一時金と毎月の月額利用料に大きく分けられますが、以下ではそれぞれの内訳を解説します。

入居一時金の内訳

住宅型有料老人ホームへの入居を検討する際には、基本的には入居一時金のみの支払いとなりますが、施設によって別途費用が発生することがあります。

また、入居一時金が不要な施設では、代わりに保証金や敷金を前払いする形を取ることがあります。この場合、通常の賃貸住宅と同様の契約形態となりますが、月額利用料は入居一時金がある施設と比べて高めに設定されることが一般的です。

なお、入居前には必ず契約内容や返還条件を確認することが大切です。入居後の生活設計に大きく関わる費用であるため、施設側に詳しい説明を求め、十分に理解してから契約を結ぶようにしましょう。

月額利用料の内訳

住宅型有料老人ホームの月額利用料は、以下の項目で構成されています。

費用項目 内容例
賃料 居室の利用料金(入居一時金支払い済の場合は不要な場合あり)
管理費 共用部の維持管理費、運営スタッフの人件費、設備の保守費用
食費 1日3食の食材費および調理費用
水道光熱費 居室での使用分(メーター計測による変動制または定額制)

これらの費用は施設を利用する上で基本的に必要となる費用です。ただし、入居一時金として賃料相当額をまとめて支払っている場合は、月々の賃料が不要となるケースもあります。

また、水道光熱費については、施設によって実際の使用量に応じて請求される「変動式」と、一定額を設定する「一律式」があります。入居前に料金体系を確認し、自身の生活スタイルに合った方式を選択しましょう。

なお、これらの基本費用とは別に、介護サービスが必要な場合は外部の介護事業者との契約が必要であり、別途発生します。

介護サービス費は要介護度や利用量により変動する

居宅サービスの利用においては、要介護度・支援度に沿って保険内で受けられる介護サービスの量は決められています。

介護度 利用限度額(月額)
要支援
要支援1 5万320円
要支援2 10万5,310円
要介護
要介護1 16万7,650円
要介護2 19万7,050円
要介護3 27万480円
要介護4 30万9,380円
要介護5 36万2,170円

これらの金額は、介護保険制度における1か月あたりの利用限度額を示しています。要支援1の場合は5万320円、要支援2は10万5,310円です。その後要介護の度合いが上がるにつれて利用限度額も増加します。要介護1では16万7,650円、要介護2で19万7,050円、要介護3で27万480円といった具合です。

実際の自己負担は原則1割で、一定以上の所得がある方は2割または3割となります。たとえば、要介護3の方が限度額上限までサービスを利用した場合、1割負担であれば月額2万7,048円が自己負担となります。

そのため、要介護度や介護サービス利用量によって変動します。

なお、限度額を超えてサービスを利用した場合、超過分は全額自己負担となります。

参考:サービスにかかる利用料 | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」

住宅型有料老人ホームの費用の支払い方式

住宅型有料老人ホームの費用支払い方式には、以下の3つがあります。

  • ・全額前払い方式
  • ・一部前払い方式
  • ・月払い方式

全額前払い方式

「全額前払い方式」は、入居時に想定居住期間分の家賃を一括で支払う仕組みです。想定居住期間とは、入居者の年齢や性別、健康状態などを考慮して設定される居住期間のことで、この期間に基づいて前払い金額が決定されます。

前払い金は家賃相当分のみをカバーし、食費や管理費、水道光熱費などの生活に必要な費用は別途月額費用として毎月支払います。全額前払い方式を選択すると、毎月の家賃支払いがなくなるため、月々の費用負担を抑えられます。

一方で、入居時にまとまった金額を用意する必要があるため、資金面での準備が重要です。施設によって想定居住期間の設定や前払い金の算出方法が異なるため、入居を検討する際は、具体的な費用や契約条件について、各施設に詳しく確認してください。

一部前払い方式

「一部前払い方式」は、入居者が想定する居住年数に応じた家賃の一部を、入居一時金として前もって支払う方式です。入居時に支払う一時金の額を抑えながら、残りの費用を月々の支払いに振り分けます。

具体的な計算例として、10年間の入居を想定して家賃が月額10万円となった場合、総額1,200万円のうち500万円を入居一時金として支払い、残りの700万円を120回(10年分)で割った約5.8万円を毎月支払うといった形になります。

一部前払い方式は、全額前払い方式と比べて初期費用を抑えられる一方で、月々の支払額も極端に高額にならないという利点があります。

月払い方式

「月払い方式」は、入居時に前払い金を支払うことなく、毎月の利用料として家賃や生活費などを支払う方式です。入居時にまとまった資金を用意する必要がないため、初期費用の負担が少なく、入居しやすいのが特徴です。

ただし、前払い方式と比較すると月々の支払額が高めに設定されるのが一般的で、長期間入居する場合は結果的に総支払額が前払い方式より大きくなる可能性があります。

また、月払い方式を選択する場合は、将来の経済状況の変化に注意する必要があります。予期せぬ収入の減少や突発的な出費が発生した際に、毎月の支払いが負担になるリスクがあります。安定した収入源があり、長期的な支払い計画を立てられる場合に適した方式といえます。


住宅型有料老人ホームの費用を抑える方法

住宅型有料老人ホームの費用を抑えたい場合、以下2つの方法を検討してみてください。

  • ・自己負担額を軽減する制度を利用する
  • ・地方などの安い地域の施設を利用する

自己負担額を軽減する制度を利用する

住宅型有料老人ホームでの生活費用を抑えるには、介護保険制度による負担を軽減する制度の活用が有効です。

「高額介護サービス費制度」を利用すれば、1か月の介護サービス利用にかかる自己負担額が所得に応じた上限を超えた場合、超過分が後日払い戻されます。また、入居に際して医療費と介護サービス費用の両方がかかる場合は、「高額医療・高額介護合算療養費制度」を利用することで、年間の自己負担額が所得に応じた限度額を超えた分について還付を受けられます。

これらの制度を利用する場合、費用が返還されるまでに一定の期間がかかります。入居時には当面の支払いに備えた資金計画を立てることをお勧めします。また、これらの制度を利用するためには申請手続きが必要となるため、入居する施設や市区町村の窓口で手続きの方法を確認しましょう。

参考:令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます|厚生労働省
参考:高額医療・高額介護合算療養費制度について|厚生労働省

地方などの安い地域の施設を利用する

住宅型有料老人ホームの月額利用料には居室の賃料が含まれているため、一般的な不動産と同様に立地条件が費用に大きく影響します。都市部の施設は地価が高いため月額利用料も高額になりますが、地方の施設を選ぶことで大幅に費用を抑えられる可能性があるでしょう。

具体的な費用の違いを見てみると、たとえば東京都と群馬県では以下のような大きな差があります。

都道府県 費用項目 平均値 中央値
東京都 入居一時金 527.3万円 128.2万円
月額利用料 29.7万円 23.4万円
群馬県 入居一時金 3.7万円 0万円
月額利用料 12.3万円 12.4万円

東京都の場合、入居一時金の平均が527.3万円、月額利用料の平均が128.2万円なのに対し、群馬県では入居一時金の平均が3.7万円、月額利用料の平均が12.3万円となっています。このように、地域による費用の差は決して小さくありません。

また、同じ地域でも、駅から離れた場所にある施設を選ぶことで、さらに費用を抑えられます。駅近くの施設は利便性が高く人気があるため、月額利用料も高めに設定されている傾向にあるためです。

入居を検討する際は、入居者の生活スタイルや要望を考慮しながら、立地条件と費用のバランスを取ることが重要です。地方の施設を選ぶことで、同じサービス内容でもより経済的な入居プランを見つけられる可能性が高くなります。



image_jutaku.jpg

住宅型有料老人ホームの費用が払えない場合はどうすれば良い?

住宅型有料老人ホームの費用が払えない場合の対処方法としては、以下の2つが挙げられます。

  • ・生活保護の利用を相談する
  • ・入居する施設の条件を変更する

生活保護の利用を相談する

住宅型有料老人ホームへの入居を考えているものの、費用が年金のみ等で不安を感じている場合、生活保護制度を利用するという選択肢があります。生活保護の「住宅扶助」や「介護扶助」と組み合わせることで、必要な介護サービスを受けながら施設での生活を送れます。

生活保護を受給しながら入居できる住宅型有料老人ホームは実際に存在し、公益社団法人「全国有料老人ホーム協会」の調査では、全体の約28%の施設が生活保護受給者向けの料金プランを設定しています。

image_jutaku_seikatsuhogo.jpg 出典:「平成25年度有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究事業報告書」|公益社団法人全国有料老人ホーム協会

ただし、入居できる施設は生活扶助費の範囲内で対応可能な費用設定の施設に限られる点には注意しましょう。

入居を検討する際は、まずお住まいの地域の福祉事務所に相談してみてください。福祉事務所では、生活保護制度を説明してくれるだけでなく、地域の受け入れ可能な施設の情報も提供してもらえます。また、施設探しの段階から生活保護の申請を並行して進めることで、スムーズな入居につながります。




入居する施設の条件を変更する

住宅型有料老人ホームの入居費用を抑えるための具体的な方法として、先述の通り、ほかの施設への住み替えを検討してみてください。

都市部と比べて地方の施設は一般的に費用が安く設定されており、同じサービス内容でもより手頃な料金で利用できることが多いためです。また、築年数が経過した施設を選ぶことで、新築や築浅の施設と比べて月額費用を抑えられる場合もあります。

ただし、施設を変更する際は、提供されるサービスの質や医療機関との連携体制なども含めて総合的に検討することが大切です。入居者の状態や必要なケアの内容に応じて、適切なサービスを受けられる環境を確保することが前提となります。

まとめ

住宅型有料老人ホームの費用は、入居一時金、月額利用料の2つの要素で構成されており、介護が必要な場合は別途介護サービス費用がかかりますが、金額はそれぞれ差があります。

入居一時金は平均125万円と高額ですが、中央値は18.2万円と大きな開きがあります。一方、月額利用料は平均16.7万円、中央値14.1万円と比較的安定した金額設定となっています。介護サービス費は要介護度によって5万円から36万円まで幅広く変動します。

このように入居にかかる費用には大きなムラがありますが、費用を抑えるためには、自己負担額軽減制度を活用することや、比較的費用の安い地方の施設への入居を検討することが有効です。また、費用負担が難しい場合は、生活保護の利用や入居条件の見直しなど、状況に応じた対応策を検討してください。



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